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「本音と建前」と「puzzle」〜SexyZoneがどうしてこんなに美しいのか

2024年1月8日、オタク友だちからニュースのスクショと「!?!?」だけのLINEが送られてきた。

ケンティーが、セクゾを卒業する?
今書いててもちょっと意味がよく飲み込めない。ケンティーはSexyZoneそのものもなのに、ケンティーが卒業……?
私は2022→2023のカウコン、マリウス卒業で沼落ちしたので、セクラバ歴は浅くて、それでもかなりショックだった。
ちょうど他にもしんどいことがあった日で、「あんまりだよ…」と泣いてしまった。

今読んでくれている人は、もっと長く推してるセクラバさんかもしれない。
あんなに心を砕いて、宝物を宝箱にしまうようにマリウスを見送って。
(当時全然セクゾと関係なかった私のTwitterタイムラインでもあのカウコン後は「SexyZone見た……?」とザワザワしてました。)
まだ1年しか経っていない。

5年後、10年後、SexyZoneがどうなっていくのか。たとえグループ名が変わったとしても、4人で。マリウスはすぐそばで。
ファンクラブに入って1年の私ですら、何度も未来に期待して、想像してきた。

歌番組で4人並んだ時、あまりのSexyさに圧倒されながら、「この美しい人たちが40代になったら、私、どうなっちゃうの!?!?」とワクワクして。
初めてコンサートに行って、細部への作り込みと4人の「楽しませよう」というエネルギーに感動して。
今の延長線上にある「これから」がまだまだ続くと、疑いもなく信じていた。一気にそれが崩れ去ってしまった。
長く応援してるセクラバさんたちは、私の何倍もショックだったと思う。想像するとくるしい。

SNSを見ていたら「本当のことを話してほしい」「他の3人はどう思ってるの?」「いつから?とても信じられない」
そんな声で溢れていた。

私にも、そんな気持ちは燻っていた。
ファンには、全ては話してもらえない。どんなに雑誌のインタビューを拾って、ブログに書いてくれたことから気持ちを想像しても、それは想像でしかない。
アイドルはいつも、出来事や、気持ちの中で、「これは話してもいいかな」というものを選んで発信してくれる。それは全てじゃない。
どんなに応援していても、全ては見えない。

でも、SexyZoneとしての、4人でのラストシングル、puzzleが発表されて、MVや歌番組を見ていたら、燻っていた気持ちが、ジュワッと溶けて消えてしまった。

4人の今この瞬間を慈しむような目。目と目を合わせて微笑む姿。手を取り合ってWe are SexyZone!と叫ぶ表情。どんな話し合いと葛藤を乗り越えても、そこにあるのは愛なんだと教えてくれる。とてもじゃないけど嘘には見えない。

よく「アイドルは嘘をついている」と言われる。本当に思ってることを隠し、ファンが望むことを話す。本当の姿を隠して偶像を見せるのがアイドル。
でも私は、そうは思わない。全てを話していなくても、美しいものしか見せなくても、そこにあるのは嘘じゃない。
SexyZoneのシングル「本音と建前」にこんな歌詞があった。

最高に満たされてます 裏も表もないです
ごめんね もう全俺が愛だぜ
共犯関係でしょう

SexyZone「本音と建前」

https://youtu.be/1z-_XtdtMwk?si=vMMVE70_UlCXoP58

「全俺が愛だぜ」
………「全俺が愛だぜ」!?
このフレーズを歌える人間が、中島健人以外にいるだろうか。
ケンティーに「全俺が愛だぜ」と言われたら、「でしょうね」と思う。そんな人間はこの世に中島健人さんだけだ。

まぁそれはともかく、「最高に満たされてます裏も表もないです」「ごめんねもう全俺が愛だぜ」溢れる愛に嘘がないこと、これがSexyZoneの美しさだと思う。
SexyZoneはいつも美しい。何かあれば、「背中を押したい」「前向きな決断」と話す。
美しいところしか見せない。でもそれは嘘じゃない。
相手を尊重する気持ち、慈しむ気持ち、愛を持って接すること。
SexyZoneを見ていると「現実にそういうことがあるんだ」と思える。「それは揺るぎないんだ」とも。
都合良く見せてるんじゃない。「裏も表もないです」「全俺が愛だぜ」と彼らは伝えてくれる。

生きていると、誰かを羨んだり、誰かに悪意を向けられたり、色んなことがある。何かを愛しく思ったり、慈しむ気持ちが湧き上がっても、日々の生活に埋もれてしまう。

私たちが一瞬で通り過ぎてしまうような気持ちを、彼らは温めてパッケージにして、届けてくれる。MVを見れば、曲を聴けば、DVDをデッキに入れれば、私はすぐにそれに触れることができる。愛を持って放たれる言葉が、相手を想う美しい眼差しが、支え合う温もりが、永遠のように感じられる。それはメンバー間だったり、セクラバに向けられたものであったり。
もしかしたら、永遠じゃないかもしれない。でも、その時そこに存在したことは嘘じゃない。世の中にはこういう美しい気持ちのやりとりがある、嘘や建前じゃない。彼らはそう教えてくれる。
私たちはそれを信じる。全てが見えなくても、この人たちのこの瞬間の美しい気持ちは本物なのだと信じる。
だからいつも、SexyZoneは美しい。


SexyZoneの名前が変わるまで、中島健人くんがソロになるまで、あと1ヶ月しかない。
どんなに自分を納得させても、愛があるとわかっていても、悲しみと寂しさには抗えない。

彼らは最後まで美しい姿を見せてくれると思う。そしてその後もそれぞれの道でキラキラ輝いてくれる。
風邪を引いて鼻が詰まっていたり、部屋が片付かなかったり。雑然とした日常の中で、SexyZoneの美しさを支えにしている。
彼らもそうだといいなと思う。
本当のことはわからないから、ただ、そうだといいなと思う。

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