見出し画像

急性心筋梗塞の2年半の経過メモ 

はじめに
 2021年7月23日に急性心筋梗塞を起こし、経皮的冠動脈形成術した。
術後2年半が過ぎ、気持ち的にはまた普通に生きられる。そう思えるようになった。ここで一区切りとして病後のデータも踏まえてまとめた。

経緯 
 倒れた時、病状は右冠状動脈、左冠動脈主幹部両方が詰まった状態で、「これでは心臓に血液がいかないだろう」と言う重症だった。

 マウンテンバイクの練習後だったので、自転車を抱えて帰宅時の住宅街で倒れた。ヘルメット、サングラス、自転車パンツとウエア、心拍計を胸に、その状態で病院に搬送された。ここまでは本当に運が良かった。

 医者の最初の言葉「かなりの重症だな」だけ覚えている。後は気を失っていたようだ。心臓も2度程止まったそうだ。

 緊急治療をされて、重症なので集中治療室(ICU)で2日過ごした。そして奇蹟的に生きながらえた。

 今、この酷い状況から結果論だが、ほぼ機能は回復した。
病院でも「奇蹟ではないけど、どうしてかは推論はできるが、よくわからない」と言う。

 私は35年間トライアスロンがメインの持久スポーツ、心肺機能を目一杯使うスポーツの現役選手であった。さらに肥満でもないし、タバコも吸わない、それでも何故か心臓病となったと思った。
医師街言うには、動脈硬化の一番の要因は遺伝的なものだという。血液が濃いようだ。DNAは怖い。

 一方回復の早さは、基本的に成人病的要因が少ないからだと思っている。それとリハビリに何時もの心拍トレーニングを利用し適切に行ったからだ。
若い頃から大怪我を何度もやっている。だからリハビリの我慢と継続は得意だった。(これは主観)

急性心筋梗塞とは
言葉はよく聞くが、倒れる前までは、詳細をよく知らなかった。今更だが、調べてみた。 

急激に血管内がプラークや血栓などで詰まり、冠動脈内の血流がなくなってしまい、心筋に栄養と酸素が十分に届かず、心筋そのものが壊死をおこした状態を「急性心筋梗塞(acute myocardial infarction: AMI)」と呼びます。

急性心筋梗塞が狭心症と異なるところは、血管が閉塞することよって心臓そのものに血液が流れなくなり、時間とともに心筋が死んでゆく(心筋の壊死)ことです。

心筋梗塞は日本人の死因の第2位にランクされており、病院で治療を受けた方でも5−10%は救命できない事が報告されています。
また無事に退院ができても慢性期に、心不全や不整脈などといった後遺症を残すことになります。
この患者を「虚血性心疾患」といいます。

経皮的冠動脈形成術
一般にカテーテルと言っている

経皮的冠動脈形成術(PTCA)とは、手首の血管から管(ガイディングカテーテル)を入れて、その管の中にさらにもう一つの管(バルーンカテーテル)を挿入し、閉塞した冠動脈の病変部を拡張する治療法です。胸部を切開することなく、血管の手術が可能です。急性心筋梗塞だけでなく、狭心症の治療にもよく使われる術式です。 

私は血管内にステントを留置した。五箇所いれた。カテーテルは3回行っている。

ステント留置位置

この治療の主な合併症
■造影剤のアレルギー(特に激烈なショック)
■造影剤による腎不全、心不全(悪化の場合は血液透析が必要)→私の場合これが起きた。ICUで一時的に透析した。

■カテーテルによる冠動脈の損傷
■カテーテルによる大血管損傷
■カテーテルにより大動脈のプラークを飛ばしてしまうことでの脳梗塞や腎梗塞
以上の合併症の危険性は手術前に説明されて、同意書にサインをする。

後遺症
「心不全」
心不全とは次の心臓の病気を指す。
心筋梗塞 心臓の血管 冠動脈が詰まる病気
心筋症 心臓の筋肉異常による心機能低下する病気
弁膜症 心臓にある4つの弁のどれかに異常が起こる病気

心不全とは一般的には「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されています。

データ
 日本人の死因 1位はガン 2位が心疾患(心不全)となる。
国内の心疾患数 172万人いる。
ここから気になる数字が続く。

1年以内の心不全患者の再入院率 35% →2年半過ぎたの問題無い、エコー検査でも問題なし。
2021年8月末に退院したが、取りあえず1年間は注意し、リハビリも慎重に実施した。その後も順調だ。

5年以内の心不全患者の死亡率 50% →今の所再発していないので大丈夫だろう。

 

通院
現在、2ヶ月に1回、かかりつけ医へ通院している。薬を貰う他、検査として以下がある。毎回するわけではない。

■胸部X線検査
■心電図検査
■心エコー検査、ときにその他の画像検査
■血液検査
■胸部X線検査

心電図検査
通常は 心電図検査を行って、心拍が正常かどうか、心室の壁が厚くなっているかどうか、心臓発作を起こしていないかどうかを調べます。

心エコー検査
超音波を利用した心臓の画像検査である 心エコー検査は、心拍出量や心臓弁の働きなど、心機能を評価するのに最も優れた検査法の1つです。心エコー検査では、以下の点が明らかになります。

心臓の壁は厚くなっているか、また正常に弛緩しているか
心臓弁は正常に機能しているか
収縮が正常か
心臓に異常な収縮がみられる部分はないか
以上を調べます。

心機能
心エコー検査は、心臓の壁の厚さと硬さ、駆出率を評価することで、心不全が収縮機能障害によるものか、拡張機能障害によるものかを判断するのに役立ちます。

駆出率とは、1回の拍動で心臓から送り出される血液の割合のことで、心機能を測る重要な指標です。左心室の正常な駆出率は約55~60%です。
駆出率が低い(40%未満)場合は、収縮性心不全の診断が確定します。
心不全の症状がある人の駆出率が正常以上である場合は、拡張性心不全の可能性が高くなります。

血液検査
血液検査がほぼ必ず行われます。多くの場合、ナトリウム利尿ペプチドという物質が測定されます。ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)は、心不全がある状況で血液中に蓄積する物質ですが、息切れを引き起こすほかの病気がある状況で蓄積することは少ないです。心不全を引き起こす病気がないか確かめるために、他の血液検査が行われることもあります。

NT-proBNP 
NT-proBNPとは心臓から分泌されるホルモンの一種で、心臓の機能が低下して心臓への負担が大きくなるほど血液中に多く分泌され、数値が高くなります。
心臓疾患を検出する方法としては、心電図検査が広く行われていますが、心電図検査だけでは検出できない場合も多々あり、心電図に現れていない「心不全の危険度」を知る目安となります。
心電図検査とNT-proBNPの両方を行うことにより、より心不全を検出する感度が上がることも報告されています。

NT-proBNPの値

実際の値 
NT-proBNP →一度心筋梗塞を起こす少なからず心筋が痛んでいるので、ある程度の値でるそうだ。それは問題ないそうだ。
2021年   NT-proBNP (pg/ml) 
07月23日             急性心筋梗塞 入院 治療
08月24日             治療 点滴多量
08月26日  2143         退院 ここでの値はデカい
10月22日  911
12月27日  922
2022年
01月17日  960
03月15日   1085
07月19日  433
09月13日  746
2023年
01月17日  960
03月10日  576
09月08日  844

左室駆出率 (駆出率)
心臓の収縮機能を表す最も重要な指標は左室駆出率(left ventricular ejection fraction; LVEF)です。LVEFやEF(イーエフ)と呼ばれます。

LVEFの推移
2021年
8月21日 38.2%  →かなり悪い
12月27日 55%   →寿命が延びる。

2023年
11月10日 56% 治療後 2年半経ち、多少の傷はあるが心機能には問題はないようだ。これで5年以上は生きながらえる。

回復度
 薬は7種飲むが、心臓の調子はいい。普通に泳いだり、走ったり、自転車乗って練習しても大丈夫だ。でも試合などでは追い込むことは出来ない。
登山も2700m(北八ヶ岳)を登ったが全く問題なかった。
基礎疾患がある状況でオミクロンにも感染したが、それほど病状は酷くはなかった。

湿疹
オミクロンの後遺症か、昨年の冬場に体中に湿疹が出てしまい難儀した。
風邪と同じで、ウイルス感染は、色々な疾病の引き金になるから免疫力は落とさないことに留意している。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?