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ロードバイク(自転車)ブームがオワコン? 35年間自転車乗っていた私の感想

 最近、ロードバイク(自転車)が売れてないと聞く。しかし尾根幹(東京多摩地区のロード乗りが集まる道路として有名)を走っているロードバイクが減ったとは思えない。定着はしてはいると思う。

 バイクが売れないのは、メーカー主導の高額バイク路線に「ノー・サンキュー」ではないかと思ったりする。
私くらいの歳になると、今更欲しいと思うバイクも機材もない。慣れるまで面倒くさい。その辺りで感じていること書いてみた。

 私の履歴を少し、中学生からブリジストン・ロードマン、ミヤタのツーリング車を乗り、高校生からはオートバイ乗りとなる。ナナハン、モトクロスレースとオートバイ漬けの日々を20代で送る。

 30代から再び自転車、ロードレーサー(当時、ロードバイクとは言わなかった)、マウンテンバイクと今まで(67才)2輪を乗り続けた。その間、大怪我をしても、子育てや仕事に翻弄されても、乗り続けた。

最近の出来事、アシストバイク
 近所の長い直線の裏通り、車通りは少ない。その道を歩いていた私、時間は午後3時頃だった。
 後ろかアシスト付きのママチャリが結構な速度で走ってきた。そして前方で止まった。
少し遅れて男性が乗った自転車が走ってきた。そして女性の横に止まった。おそらく夫だろう。そのとき女性は言った。
「私、自転車、速いから」
えっ、何でマウントを取っているの?
「そうだねぇ、速いねぇ」と答えている夫らしき男。
でもね、それは間違っていると思う。速いのはアシストパワー。

マウンテンバイク(MTB)
 マウンテンバイクはかなり昔から売れてない、だけどシマノのイベントレースなどで、参加者はそれほど減ってない。おそらく好きな人は乗り続けているのだろう。

 マウンテンバイクはスキーと同じで、車(トランスポーター)がないとフィールドまで持って行けない。つまり使えない。そのため、日本では販売台数は伸びない。
一方、海外、特にアメリカでは今でもサイクルスポーツの主流だ。

3台MTBを積んでいる。他、キャンプ用品と子供3人、犬1,妻1の大所帯

 ちなみに最近のマウンテンバイクはハンドル(幅が800mm以上)が広すぎて道路交通法違反。それと29er のサイズは道路端を走るにはデカ過ぎる。フロントシングルで、街乗りを全く想定されていない仕様となった。
昔はメッセンジャー達がMTBをロード仕様にして乗っていた。結構頑丈で、フロント3速はとても便利で、街乗りに合っていた。 

ホイールも交換してロード仕様としたマディフォックス 2006年頃

グランベルロードバイク
 最近はロードバイクより、グランベルロードバイクが売れている。
グランベルロードバイクとは、ロードバイクのような見た目でありながら、未舗装路も走れる自転車だ。昔のツーリング車とシクロクロス車のミックスといえる。
 
 何故グランベルロードバイクなのか、それはまずロードバイクの魅力は長距離を走る事だ。しかし、日本の道路事情、都市部では舗道走行も強いられる。またツーリング、ポタリングでは荒れた道も多い。

 このような場合、ロードバイクの25mm位の細いタイヤではパンクのリスクが高い。高圧なので乗り心地は悪い。段差で転ぶ可能性もある。

 昔主流だったチュ-ブラタイヤはパンクしても何とか走行可能だったが、今のクリンチャーは構造上、パンクすると終わる。下手すると転倒する。ホイールが曲がる。
 
 またロードバイク乗りは、機材争い、速さ争い、獲得標高争い、とにかくマウントするのが好きだ。そんな奴らは走りで千切ればいい・・と未だにレーサー気質の私だが、それに巻き込まれて嫌な気分になる人もいる。

 好き勝手にゆっくり自転車に乗れない。そこから抜けたい人達にピッタリだったのがグランベルロードだ。マイペース走行をしていても、煽られることもない。

「のんびり行こうぜ」野田知佑さんのカヌーツーリングみたいに自転車に乗りたい人にはお勧め。

 そしてオフロードもどんどん走って欲しい。2輪の楽しさはオフロードにある。車の走る道路、その端っこを走っていても、ウンザリするだけだ。
 
 私も歳とってから購入したバイクはシクロクロス車、KONA(コナ)  RIDLEY(リドレー)で、新規ロードバイクはない。
このバイクでシクロクロスレースも出たが、これはマウンテンバイクレースよりキツい。爺さんのやるものではなかった。
 
 今、KONAはフロントをシングルにしてポタリング用として使っている。RIDREYはブレーキをカンチからVブレーキに変えて、ロードバイクとしている。重いギアを踏めない老人にはシクロのギア比が丁度良い。フロントトップで走れる。

KONAのシクロクロス車 フロントシングル化した
RIDREYのシクロクロス車

ツーリングバイク(稀少)
 オーダーしたクロモリツーリングバイク。おそらく40代以下の人達は乗ったこと無いと思う。この自転車は長い距離には絶対に向いている。そして楽だと思う。

 最新のエアロバイクもいい、買った当時は格好いい、でも流行り物の洋服と同じで、何時かは乗っていて恥ずかしくなる。また汎用性もないので、ツーリングに使うとか転用ができない。
ツーリングバイクはビンテージとして残るし乗れる。

 私の地元では神金商会ペガサスが有名だった。
しかし時代の流れで、普通のスポーツバイク屋になった。おそらく職人がいないのだろう。需要もないし。需要はケイリン車くらいだ。

レイノルズのパイプで組んだペガサスロード、30年経つとビンテージ感がでる。


 息子が大学で自転車のツーリングサークル、日本中を自転車で野宿して旅するクラブに入っていた。その部は何十年も歴史があるが、コロナ禍以降、人が集まらないようだ。大学生も人種が変わってきている。

 息子の時代 2011年頃、自転車を持ってない新入生にバイクの購入時の注意があった。

購入する自転車に関して
 荷物が積めて、輪行が出来る自転車、雑に扱える自転車
軽いマウンテンバイク(最近では輪行、ツーリングには向くMTBは少ない)。またはツーリング専用車(これが全く手に入らない)。

 ブレーキは Vブレーキ>カンチブレーキ>ディスクブレーキの順で選ぶようにと注意書きがあった。

 
ディスクブレーキは輪行にむかない。壊れたら現地で修理出来ないのでNG。キャリパーブレーキはタイヤが太いのでもともと使えない。
Vブレーキは制動力もあり、構造も簡単、シューは何処でも手に入る。
カンチブレーキは調整が玄人向け、制動力も今一だ。

 息子はルイガノのクロモリツーロング車を使っていた。独特の強靱さとオーラーがある。未だに通勤に使っている。
今、ブレーキのブラケットが加水分解しているが部品がない。互換品もないので、大変困っている。

 当初のカンチブレーキは全く効かないので、シマノの高級品に交換した。ちなみにリムブレーキだとリムは消耗品だ。高級ホイールは使えない。

クロモリのツーリングバイク

ロードバイク
 現在、ロード乗り、若い子はほぼ大学チームだ。娘2も大学の自転車競技部でロードレースをやっていたが、走る時は常に練習だった。

 シニアはヒルクライム好きが多い。近所に住む高千穂(SF作家)さんが有名人だ。このオジサン(今は爺さん)若い女子が好きなので、娘1は何度か話をしている。

 一番気になる30,40代は何処へ?
この世代はゲーム世代、忙しいのでZWIFT(ズイフト)でもやっているのだろうか、あまり見ない。弱虫ペダルから来た女子は消えた。
私は2015年以降自転車レースには出てないので、その辺りは推測となる。

ロードバイクブームがオワコン
 オワコンと言うより、ロードバイクが売れないというメーカー側の話。
これは値段が馬鹿みたいに高いからだろう。

 値段的に初心者が買えるのはスポーツ自転車をロードバイクにしたようなものだ。これは飽きる。また馬鹿にされるので(最近の若い子はこの辺りに敏感)、誰も新たにロードバイクに乗りたいとは思わない。

 これはマウンテンバイクが売れなくなったのと同じパターンだ。金持ちの道楽となった。

 私の話だけど、35年前にアメリカのGTブランド(バイシクルモトクロスのメーカー)のマウンテンバイクを購入した。クロモリフレーム、サスなんかない時代の代物だ。それで山をがんがん下っていた。子供の遊びみたいで楽しかった。

 その後、ロックショックスのフロントサス、ディスクブレーキ、リアサス。どんどんオートバイ化して、レースも盛んになり、値段も上がり続けた。

GT カラコラム  SPDの初期型をつけている

 ロードバイクも同じ事やっているように思える。メーカー側の都合による仕様変更。機材の高級化、ブラックボックス化、オートマチック化、モータスポーツ化している。スポーツなのに機材に偏りすぎ。
最後はアシストロードバイク。価格200万円、インスタで自慢して終わり。

 バイクを工業製品にする。操作を自動化して、昔なら機材ドーピングと言えるシステムとする。これでは自転車に乗るテクニックを磨く、マシンをいじる調整する楽しみもない。

 ロードバイクも機材競争すれば、金だけで何でも手に入れる。つまり趣味の世界からどんどん遠ざかる。スーパーカーと同じ。

ロードバイクが何故長年ディスク化しなかったか?
 あまり意味が無かったからだ。
キャリパーブレーキ、欠点はあるが完成したものだった。
それと機材を使うスポーツは、それを乗りこなすことも競技の一つだ。
仕様であればそれで争う。

 今時のパワーメータでの練習に私は昔から違和感があった。
誰が乗っても走るロードバイク、それにマッチョを乗せる。それは単なる体力競争となる。それに見合った練習方法がパワーメータを使う練習となる。

 スピードスケートの選手がヒルクライムで勝つのはこの競技が体力測定だからだ。逆にヒルクライムで強い選手がスピードスケートで勝つことはない。自転車競技はある意味、誰でも活躍できるチャンスがある。それも魅力の一つであるのだろう。

 私は長年スイムをやっていたが、スイムは体一つのスポーツだが、スキルスポーツでもある、マッチョや体力自慢のオッサンが、小さな小学性に負ける。自転車もまだトライアル、マウンテンバイクレースにおいてはその側面がある。

まだまだ語れるけど愚痴が多くなるので終わる。以上私の感想でした。


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