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俺の中学生日記2 Sex Machine

 今は中2病という便利な言葉があり、勉強しない中学生を見れば中2病、学校で暴れれば中2病、引き籠もりも中2病、思春期のトラブルは全て中2病、レッテル貼りは楽でいい。でも少年達はそんな括りで生きてはいない。

 今から40年以上昔、中2病なんて言葉はなかった時代。大人が全く介入しない世界で生きていた少年達。そんな時代の「俺の中学生日記」

「Sex Machine」
 俺は中学校ではサッカー部だった。
一応、短パンにハイソックスで練習していた。当時はナイロンのパンツの下にサポーター代わりに競泳用の安い三角パンツをはいていた。この組み合わせ、股がすごく蒸れる。加えて部室の汚いロッカーに練習着を入れっぱなし、そんな事を平気でやっていた。
 
 ある日、部活の帰りだった。なんか下半身、息子の周りが異常に痒い。家に帰って風呂場で息子をチェックすると。棒も含めて股が真っ赤だ。
「どうした!変な病気?」 でも変な事なんてしてないし、変な事をまだよく知らなかった。

 「お母さーん!!」俺はプライドを捨て、フルチン状態でお袋を呼んだ。
お袋は俺のあそこを一瞥して言った。
「タムシだね、お父さんが、ベトナムでアメリカ兵が使っている強力な薬を持っているから、それをつけな」

 何で、そんな薬を親父が持っているのかよく知らないが、当時、ベトナム戦争が泥沼化、俺の息子も泥沼化、その危険を親父は事前に察知していたのかもしれない。
 
 さて、親父から貰った薬、液体タイプだ。俺は風呂に入った後に、何も考えずにたっぷりと赤い箇所へ降りかけた。
その途端、あそこを火で炙ったような痛みが走った。
「ぎゃーっ」俺は叫び、風呂場でのたうち回った。慌ててお湯をかけた。
「ぎゃーっ」とまた叫んだ。
「水、水」

 その日は下半身が火照って、ほとんど寝られなかった。
そして翌朝、痛みは消えていた。素晴らしいことに、「痒くない!」これは凄い薬だ。
 
 その日の学校で、2時間目の英語の授業中だった。俺は無意識にパンツの中に手を入れてあそこを掻いた。すると皮が剥けた。「やばい、どうしよう」俺はそのチン皮をとりあえず教科書の上に置いた。そして、思い切り前の席の中野に吹き付けた。

 中野の学ランの背中にそれは張り付いた。それを2回ほど繰り返したとき、俺の隣の席にいる今野がそれに気づいた。
「中野、ケンジがお前の背中にチンコの皮つけているぞ!」と叫ぶ。その声で、俺の周りの奴らが中野の背中を見て、「ひやーっ!」
教室は大騒ぎになった。
 
 当然、その日の放課後、担任に呼び出された。
「タムシはいい、わかった、だが皮は投げるな」
「じゃあ、どうすればいいのでしょうか?」と俺
「鞄に入れて持ち帰れ、ゴミ箱に入れても騒ぎが起こる。Do you understand?」担任は英語の教師だ。
「yes、 This is a pen」と俺。
「帰っていいぞ、タムシ男」
 
 その後、部活に出ようと部室へ行くと部室の前に今野がいた。坊主頭のこの男は野球部だ。俺の顔を見ると、
「なぁ、さっきは悪かった。ごめん、あのさぁ、お前の使っている薬って効くの?」 俺はホントのことを言う。

 「効くよ、1日で治る。皮は剥けるけど。それより、お前もタムシ?」
「まぁな、実はそうなんだ。全然治らなくって、お願いだ薬を貸してくれ」
「うーん、どうすかなぁ、これはベトナム戦争で兵士が使っている薬で、アメリカの国家機密だ。そう簡単には貸せないね」
「ちょっと何言っているのか分からねぇけど、じゃぁ、これで」

 今野は手に一枚のシングルレコードを持っていた。
「兄貴のやつで、聴かないって言うから貰った。なぁ、題名がいいだろう」
今野の持っているレコードジャケットには、ピチピチのスーツを着た黒人の写真。そして題名は、「セックス マシーン」
 セックス、それもマシーン!
「なぁ、凄いだろう」俺は妄想が膨らんだ。
「わかった、明日持ってくる、レコードくれ、薬は直接塗るなよ、タムシ菌がつく」
「えっ?? まあいいや了解だ」
 俺はレコードを今野から受け取った。

 部活の後、急いで家に帰ると、家には誰もいない。
チャンスとばかり居間のステレオに「セックス マシーン」をセットして針を落とす。やばいので音は少し小さめにする。

 ブチブチというノイズの後、スピーカーからリズムの乗ったおっさんの歌声が聞こえてきた。
「ゲラッパ 、ゲロンッパ、ゲロンパ、ゲラッパ 、ゲロンッパ、ゲロンパ」
 
 それは「ゲラッパ 、ゲロンッパ」の永遠ループだった。それでも湧き上がるリズム、繰り返す波のように続くリズム。俺はファンキーサウドに初めて触れた。
「いいね」俺はいたく気に入った。

3日後。
「この薬、最高だなぁ」と言いながら、今野が股をまさぐり、チン皮を教室に放り投げる。そして教室が修羅場となる。

その日も担任に呼び出される。
「お前達、タムシ・ブラザーズだな」
ついに伝説のタムシ・ブラザーズが誕生する。


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