オーダーしたクロモリロードレーサー(自転車)の話
色々と過去のモノを処理していたら、1986年に組んだロードレーサーのオーダー表が出てきた。
懐かしいので、少しこの時代のロードレーサー(自転車)、クロモリフレームの話をしたい。まずこの時代、ロードバイクではなくロードーレーサーと言っていた。こちらが主流だった。
オーダーフレーム
自転車マニアの方々は知っていると思うが、昔、スポーツ自転車は専門店にオーダーして素材のクロモリパイプから作ってもらっていた。
今は工業製品になっているが、38年前は手作りで、職人さんが溶接して組んでくれた。塗装もメッキも含めて全てを作る。だから納期も長かった。
私は1985年にトライアスロンデビューした。そしてロードレースにも出場するようになった。
最初に作ったロードレーサーは丹下NO2のパイプで組んでおり、ロードレースに出ているような人達は海外ブランドのフレームだった。
それを見るとより戦闘力のある自転車が欲しくなった。
自転車の魅力にハマった私は、早速調布唯一のプロショップ、神金自転車商会へ向かった。
神金自転車商会、今はオシャレなビルになっているが、1986年当時は、かなり古い店舗で、おやじさんは2代目だった。
ここでの購入は2台目だ。1台目を買ってから1年も経ってない。
取りあえず要望をいって、採寸して、色々と決めてもらう。また体重が60キロ以下という形で強度ギリギリで出来るだけ軽いパイプで選んでもらった。
フレーム材
レイノルズ 531 スーパーライトウエイト
歴史ある英国のパイプを使った。
一般にクロモリと言っても色々ある。多種多様だ。
レイノルズ 531はマンガンモリブデン鋼だ。
これは伝説的スチールで、軽さと独特の粘りが特徴。1930年代に開発され、大戦中は英国の爆撃機の胴体材料にも使われていた。
パイプを繋ぐラグ・エンド類にはカンパ(カンパニョーロ)とチネリを使う。ホイールは手組のカンパとした。コンポはシマノ・アルテグラだ。
ホイールは後に銘品 マビック GP-4とした。
重量は9.3キロ程度。クロモリとしてはかなり軽い。
オーダーした値段は当時の大卒の賃金の1.5倍程度だった。
クロモリバイクの魅力
乗り心地は、チューブラタイヤと合わせると過去最高だ。サイズがオーダーなので、まるで体の一部のようだった。このバイクの時が一番ダウンヒルが攻め込めた。
その代償なのか、ダウンヒル中に転び、鎖骨を折っている。
クロモリ独特の粘りは、踏み込むほど伸びる不思議な感覚だ。一度は高級クロモリロードにチューブラタイヤで乗ってみて、その乗り心地を体験して欲しい。カーボンフレームしか知らないのは少し淋しい。
このロードレーサー、本来はロードレース用だったが、スコットバーを付けてトライアスロンにも使っていた。
現在、試合などのお役目を終えて、GTローラー台で使っている。
既に35年以上経つ自転車、交換したコンポも既に古いものとなっている。シマノ105だが、前2後9だ。
GTローラー台はフレームに優しいし、立ち漕ぎまで出来る室内ローラー台。これも過去最高の乗り心地。車だらけの外で走る気がしなくなる。
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