【第9号】colomagazine(2020/12/24発行)
コロナ禍に打ちのめされた歴史的一年が暮れようとしています。あっという間でもあり、昨年の忘年会風景の写真を見ると遠い過去にも思われます。
ころからのメールマガジン(ころまが)第9号をお届けします。
第9号のラインナップ
1)【特集&Pickup】新シリーズ「いきする本だな」始動!
2)【来月の新刊情報】『おいしいダイバーシティ』刊行
3)【コロナ時代に読みたい一冊】『ちくわぶの世界』
4)【今月の呼びかけ】しつこく総額表示に反対します
5)【今月のオフィス】年賀状発送しました
※ころからが発信するcolomagazineは、メディア・出版関係者を中心に、これまで触れあう縁のあった方へ送信しています
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1)【特集&Pickup】新シリーズ「いきする本だな」始動!
来年2021年に、ころからは創業8周年を迎えます(ちなみに1月11日創業)。この記念すべき年(?)に、ころからは新シリーズをスタートさせます。
その名も「いきする本だな」シリーズです。
2020年の世界に波及したブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に呼応するものでありたいと思っています。出版社にできることは、「本をつくること」と「本をうること」。ですので、ころからはBLMへのレスポンスとなる本をだしていきます。
具体的なラインナップは次号でご案内できればと思いますが、その心意気をまずはお伝えします。
巻末にマニフェストを貼り付けますので、おおいに無断転載ください!
2)【来月の新刊情報】『おいしいダイバーシティ』刊行
ころからが8周年を迎える2021年の刊行第一弾は、海外在住歴が長い企業コンサルタントの横山真也さん初の著作となる『おいしいダイバーシティ』です。
空前のインバウンド需要に沸いた日本ですが、そのほころびはコロナ禍以前から露見していました。
食の国際化が遅れ、とりわけ「食べられないという多様性」を無視してきた事実があります。
「食からならダイバーシティが可能だ」と訴える著者が、なにが問題か、どうして問題なのか、ではどうすればいいのかを提言する一冊です。
新春1月20日ごろから書店に並びますので、どうぞお楽しみに。
3)【コロナ時代に読みたい一冊】『ちくわぶの世界』
[2019年11月初版刊行、計2500部、B6変形、184ページ、1500円+税]
東京・赤羽は突然寒くなりました。そうすると、がぜんにおでんの季節ですね!
その赤羽をはじめ東京都北区、そしてJR京浜東北線の沿線では古くから、「ちくわぶ」という食材がおでんだねとして親しまれてきました(ほかにもカレーボールやハンペンも人気です)。
ちくわぶは、魚系の練り物ではなく小麦粉だけで作られるので、たいへん安く、また腹持ちがいいことから下町の子どもたちに人気だったのです。その子どもが大きくなり、「ちくわぶ」が全国区ではないと知ることで、ちくわぶ愛がさらに深まるとされます。
そんなちくわぶだけで一冊の本になったのが、丸山晶代さんと渡邉博海さんの『ちくわぶの世界』です。
ちくわぶだけでは味がありません。ある意味、大根以上に味がありません。が、多くの”仲間”がにじみ出すうま味をたくさん吸って、しみた大根以上の味になるのです。
ぜひ、この冬に試してみてはいかがでしょうか?
関西、九州では「そんなの売ってない!」とも聞かれますが、西日本でもスーパーにひっそり売られていることが少なくありません。コロナ禍だし、菅首相のような会食三昧というワケにいかぬという方、ぜひご家庭でちくわぶを堪能されはいかがでしょうか?
4)【今月の呼びかけ】しつこく総額表示に反対します
ころまが第8号でも呼びかけましたが、来年4月1日から消費税を含む総額表示が一律に義務化されることについて「総額表示を考える出版事業者の会」が反対の意見と改善のための提言をしました。
総額表示の一律義務化に反対し、消費税法の改正を提言します
ころからをはじめ約180の事業者が提言に賛同しています。
総額表示の一律義務化に反対・消費税法の改正提言書 賛同社・団体一覧
そして、現在は個人による署名の呼びかけがなされています。
商品・サービスの税込表示義務をなくし、価格表示を自由化する法改正を求めます!
こちらは、個人の方であれば、出版業界に関係なくとも署名いただけます。
ぜひともご協力ください。
5)【今月のオフィス】年賀状発送しました
はやくも師走です。
ころからでは、年賀状を約250枚発送しました。
年賀状といった虚礼は廃したという方も少なくないでしょう。ことに、この正月は「なにがめでたいか」と憤りを覚えておられる方もあるでしょう。しかし、小社では、いましばらく続けるつもりです。
特に、ころからの本にはさまれた「読者はがき」をお送りくださった方に向けて「2020年に刊行した本、増刷した本」をご案内したく思っています。
そういう意味では「広告」ではあるのですが、元旦に届くという特別さもあるのではないかと考えます。
では、みなさまよいお年をお迎えください。
大事なことなので、もう一度言いますが、来年ころからは8周年を迎えます。
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いきする本だな
I can't breathe.——息ができない——との言葉を遺し二人の米国人が亡くなりました。2014年のエリック・ガーナーさん、そして2020年のジョージ・フロイドさんです。
真っ昼間のパブリックな場で警官に首根っこを抑えつけられた二人の死は、米国社会に大きな衝撃を与え、抗議する人々が街頭へ出てブラック・ライブズ・マター——黒人の命をなめるな!——と声をあげることになりました。
このムーブメントは大きなうねりとなり、世界中でアメリカの黒人たちに連帯するとともに、それぞれの国や地域における構造的な差別と暴力の存在を見つめ直す機会となったのです。
さて、いま21世紀の日本社会に暮らすわたしたちは、どんな息ができているでしょうか。
誰に気兼ねすることなく、両手を広げ大きく息を吸って、思う存分に息を吐くことができているでしょうか?
これは、ただの比喩ではなく、ガーナーさんやフロイドさんと同じように物理的に息を止められていないと言い切れる社会でしょうか?
私たち、ころからは世界的な運動へと発展した「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」のかけ声に賛同し、出版を通じて、息を吸うこと、吐くことを続けようと決意しました。
そこで新しいシリーズを立ち上げます。
シリーズ名は「いきする本だな」です。息することは、生きること。そんな誰にも不可欠な本を紹介していきます。
息するように無意識なことを、ときには深呼吸するように意識的なことを伝えるために。
2021年1月 ころから
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