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『罠の戦争』4話まで“スカッとしきれない”健康的バランス感覚

 Netflixに上がっていた『罠の戦争』を、「草彅くんの雰囲気とか俺、結構好きだしな…」と軽い気持ちで見始めたところ、存外に面白く一気に視聴してしまった。  最序盤の、政治家秘書という職業の多忙や手際を描いた「お仕事ドラマ」的な展開も小気味よいし、失礼ながらどことなくロボットみたいな、超然とした雰囲気を漂わせる草薙くんの風体とも合致していて、幕開けから主人公の真面目な仕事ぶりに引き込まれるものがあった。  しかしそんな人畜無害な主人公・鷲津は、家族や自分を「踏みつけられ

    • 『シン・ウルトラマン』

      前置きとして、幼少期の私の興味はもっぱら変形・合体ロボットが登場する「戦隊ヒーロー」に向いており、合体ロボの出番がない「ウルトラマン」には過去20余年、一切触れてこなかった。 なればこそ、『シン・ウルトラマン』には情報公開当時から期待を寄せてきたし、度重なる公開延期にはやきもきとさせられたものだ。 無論、有名怪獣の名前や姿、とりわけ「ゼットン」なる者が最強格である。などの情報はトリビアとして目にしたことがあるものの、それなりに特撮も含むエンタメ作品に触れてきた半生において、

      • 『スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』“極”普通に感想

        劇場で見たきり、Netflixにラインナップされていたのでなんとなく再視聴。『スーサイド・スクワッド2』とかでもなく、『“極”悪党』なんてマイナーチェンジに留まっているタイトルも今見返すと、「1作目のアレはあんま、触れない方向で…」と制作・観客と示し合わさんとする涙ぐましい姿勢が感じられる。 公開当時から、前作に欠如していたノリノリ感とぶっ飛んだ描写が光る、楽しくてイケてる作品という印象だ。今見返しても退屈することなく、2時間見終わることができた。 のっけからはちゃめちゃ

        • 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』

          前置きになるが、ドクター・ストレンジ1作目公開当時は、予告編や主演俳優の素晴らしいビジュアルや、1つ前に公開の『シビルウォー 』のあまりの面白さにハードルを上げきってしまい、蓋を開けてみればわりかし凡庸な内容だったために肩透かしを食らったものだ。 ストレンジの赤と対比して映える、緑の衣装に身を包んだモルドの兄弟子としての活躍にはかなり期待していた。が、結果的に情緒不安定で意味不明な言動もガッカリだったし、存在感のあるマッツ・ミケルセンという俳優を起用しながら、実際には誰が演

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