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「まえも、いまも、これからも、生活は続く」(ゆきやなぎ)

息子が小学校高学年の時に新型コロナ感染症の流行が始まった。息子は数年前から不登校で引きこもりの生活だ。つまり毎日家にいる。コロナ禍に伴う小中学校休校時「毎日の食事が大変」「学習が心配」といわれていた。それらの言葉をみるたびに、私はこっそり思った。「あまり言ってもらえないけれど、うちは数年前から問題だったよ」

不登校での困りごとは、コロナ禍で学校に行くことができなかった小学生の抱える課題と同じだ。例えば、給食ならば栄養のバランスに不安がないが、自宅だとなかなか難しい。学習の内容も、親がサポートするのには限界がある。お金もかかる。学習時間だけではなく、機材を使う実験や工作、多様な運動、同級生との議論など、できないことばかりで親として悩む日々だ。

コロナ禍の休校の代替としてオンライン授業が始まった。学校に行かない児童のひとりとして、私たちもその恩恵にあずかることができた。けれども、学校が再開したとたんに私たちはまたおきざりにされた。そのように私は思っていた。

しかし息子は違った。「コロナで家から出ちゃいけないんだよね。僕、得意だよ!」「休校が続いても、僕には何ら影響がない!」「時代が僕の生活に追いついた!」と休校期間は笑顔で元気だった。そして休校明けに彼は言った。「コロナの感染が続いているのに学校始まるの?休校の時と何が違うの?」

コロナ禍では私の仕事の状況も変わり2020年度は激務の日々だった。しかしコロナ禍は嫌なことだけを運んできたのではなかった。コロナ禍になったから、夫は在宅勤務に変更となり、息子は一人で留守番をしなくてよくなった。寂しくなくなったらしい。「たまには一人で留守番する時間も欲しいなぁ」そんな言葉が出るようになった。
一人で留守番もいいけれど、私はあなたにいつでも外に出かけられるくらい元気になってほしい、そう思っています。

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