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まさか?まさか?…陽性だった。どうか差別のない優しい社会に。(カワウソ)

コロナ感染者が増え、職場関係にも学校関係にも陽性者発生の知らせが飛び交う。

近づいているなぁ…と思いながら、感染対策をしいつも通りの日々を過ごしていたが…。

学校から、次女のクラスが学級閉鎖になるとのメール。
ホッとしたのは
(1) 市保健所による調査が終了し、本校の濃厚接触者は、無しとの報告を受けています。

(5) 同居のご家族のみなさんについては、外出の制限はありません。ご兄弟は本人を含め同居家族に体調不良の方がいらっしゃらなければ登校可能です。家庭内の感染防止にご留意ください。
の部分。

次女が具合悪そうな感じはなかったし、濃厚接触者ではないのであれば、おばあちゃんに預けて仕事も行けるな、と。

実際に次女以外それぞれ仕事や学校へ行った。

ところが…。昼間に
携帯におばあちゃんから電話。
嫌な予感…。まさか…。

「熱あるみたいだよ。」

途端に心臓がバクバクし出した。

まさか?まさか?

すぐに職場を飛び出し、次女を迎えに行く。かかりつけの近所の小児科がやっておらず、とりあえず違う病院に電話し、午後の診察の時間に間に合うように向かう。駐車場から次女をおんぶし大丈夫大丈夫と声かけながら病院入口へ。

外のテントに案内され、問診を受ける。次女はとても気が小さいので、具合悪い上にいつもと違う状況に怯えてしまい、落ち着かせなきゃと私も必死。3年生を抱っこしたりおんぶしたりしながら、検査するまた別の場所へ。

熱がだいぶあるようで
苦しそうな次女の背中をさすりながら、診察を待つ。時折不安からか泣いていて、また大丈夫大丈夫と声をかけるしか出来ず…。
そう言いながらも私も不安でいっぱいになっていた。
もし陽性だったら?
家族みんなでどう生活する?
そもそも家族も既にかかってる?
仕事は…学校は…
様々な不安が頭の中をぐるぐると駆け巡る。

「ママ…検査怖いよ」

その声でハッとなる。まずは次女の体調だ。

大丈夫だよ、とさっきから同じ言葉を連呼している自分がいる。
次女をしっかり抱きしめる。

風邪をひき熱を出したことなど沢山あったが、この時ほど熱を出した事に対し不安に感じた事は無かったかもしれない。

厳重装備の医師に診察を受ける。
マスク1枚でその子を抱いてる自分に違和感すら感じるが、医療に従事してる方々の大変さも痛感。とにかく追いつかないくらいの様々な心境で医師の話を聞いた。
そのため、あまり覚えていないが、状況から鑑みても陽性の可能性が高いと考えているようで、今のうちに、と薬も処方してもらった。
検査を怖がる次女をなんとか励まし、検査後、心のどこかで覚悟した。きっと陽性だなと。
泣いてる次女をしっかり抱きしめ、
思考回路を、陽性だった場合にやらなきゃいけない事に転換させた。大丈夫、大丈夫。今度は自分に言い聞かせていた。

次の日、次女は電話が鳴るたび気にしてる。具合悪いのに、それよりも結果が気になって仕方ないようだ。
昼頃に電話が。
結果は…やはり陽性。
後ほど保健師より連絡きますと。
気が小さい次女は
しきりに「コロナなの?死んじゃうの?みんなに知られたら差別とかされるの?」とポロポロ泣きながら訴えてくる。
症状はいつもの熱の風邪、といった感じなのに、小さな小さな胸は、いつもと違う沢山の不安で埋め尽くされており、私の胸も締め付けられるようだった。
次女からとても離れられない。
そもそも子どもが陽性になって家庭内感染を防ぐなんてとても難しい。
陽性の連絡と共に、私は自分も感染する事はその時点で覚悟した。

夜の8時前くらいにようやく保健師から電話がきたが、明日詳しい聞き取りをします、と家族構成を確認されただけだった。

いつも次女と三女と並んで寝ている。
熱が出ている次女と、もれなくついてくる三女と、部屋を分ける事が出来ず、マスクをしながら寝る。もうケ・セラ・セラ。なるようになる。

9時前に保健師から電話が来た。
濃厚接触者の確認。同居家族は全員。少し見てもらっていたおばあちゃんは様子見になったよう。
すぐに検査するかと思いきや、予約制で、2日後になるとの事。
「あの、支援物資とか送ってもらえると聞いたのですが…。」
前に友人一家に同じような事があり、話を聞いていたのだ。
「いえ、まだ陽性者はお一人ですし、濃厚接触者の方は感染対策をすればなるべくすいてる時間などにお買い物行っていただいて結構ですから。」
え、そうなの?と少々驚いたが、だいぶ陽性者の人数も増えているし、保健所もやりきれないんだろうな…と、保健所の指示に従うしかないと切り替える。 
朝イチで買い物も手早くしてしまおう。
次はいつ出られるかわからない。
頭は回らなかったが近所のスーパーで短時間で思いつく物をとりあえず買い、帰った。
職場や学校に報告しなければいけない…。
若干重い気持ちだった。

職場はこれから何かと忙しい時期である。自分が長期間休む事になるとは思わなかった為、色々な準備等もしきれていないし、迷惑をかけてしまうだろう。
学校も春休みになる手前で、荷物やら卒業生とのお別れ、先生とのお別れも出来ないか…。けど、今年卒業生がいなかった事は救いだった。
いずれにせよ
ここからが大変なのかな…とボンヤリ。

職場の人が検査が2日後なのでその日に簡易検査キットと何か食料を玄関に持って来てくれた。ありがたい。

長女と私は早速検査をしてみる。
結果は陰性。
これからかもしれないが、ひとまず安心。
中学や私の職場には濃厚接触者はいないなと。

次女を看病しながらあちこち電話し、
食事などは気をつけながら
別々に食べてもらい、マスク、消毒する等気をつけるようにはした。
神経使ったせいか、疲労感。

とにかく寝よう…。ケ・セラ・セラ。

次の日少し次女が熱が下がってきたなと
思った矢先…。
うーん。おかしいなー。
私が具合悪いな〜。

電話の自動音声の次女の健康観察ぽちぽち。

ご飯の支度に洗い物に洗濯。気を遣いながらの家事。なんだか進まない…。ただの疲れではないな…とうっすら思う。やはり熱。一度計って38.5度。もうこれ以降は熱計るのをやめよう。私が寝ている訳にはいかないのだ。
長女は基本二階で過ごしてもらい、私と次女と三女は一階で。三女は普段から次女や私にくっついている為、距離はとてもとれないのだ。マスクは全員家でもしているが、共用部分をいちいち消毒する元気ももはや無かった。
私もだんだん泣きたくなってきた。
せめて無症状ならよかったが、熱で身体も言うことをきかない。仕方なく這うようにしながら最低限の家事。長女に感染対策してもらいながら、手伝ってもらうしかない。
ところが次の日には長女が熱。こちらも高熱。
元気になってきた次女と無症状の三女が走り回る中、私と中学生がぐったりとしている状態…。長女の事も心配で、お粥くらい作らねばと解熱剤を飲みながら、なんとかみんなのご飯を作る。
次女のためにかかってくる自動音声の経過観察にはとても応対出来なかった。
明日はやっとPCR検査。もう既に発症してしまっていて、陽性ということは薄々気付いてはいるが。
4人で久しぶりの外の空気を吸い、車で保健所へ。とはいえ、私も慎重に運転しなければ具合が悪く、ふらふら。夫は陰性の可能性が高い為、少し前から別行動をし、保健所へも別々に向かう。
ドライブスルーで検査を受けた。三女だけは私がおさえる必要があり、テントで受けた。
ドライブスルーの検査も車で行列が出来ており、濃厚接触者の人数の多さも感じた。
元気な下の2人はどこか行きたいと騒ぎ出すが、もちろん自宅に直帰。
私と長女はそのままグタ…っと倒れ込む。
あぁ。。もうしばらくゆっくり寝てみたい…。叶わぬ夢を独り言。
私がやるしかないのだ。家事も育児も。

次の日、保健所から結果の報告。
予想通り、夫以外全員陽性。
お金はかかるが、夫はホテル住まい。仕事諸々で色々頼み事はできない。
私と子ども3人はそのまま4人で自宅に缶詰めだ。
保健師さんからまた後ほど連絡します、と電話は切れた。

陽性か。覚悟はしていたが、また気持ちは重くなった。小学校にも中学校にも職場にも連絡しなきゃ。お友達に何か言われるか怯えてる子どものフォローもしていかなきゃ。暫く職場にも行けないから、迷惑かけてしまうな…。ご近所さんにも知られてるかな。一気に色々な不安のようなものが押し寄せてきた。
だが、とにかく体調を整え、一つ一つやっていかなきゃ。

保健師さんには、1人ずつの発症日の確認や、今の様子、いつまで自宅療養などの指示をしてもらった。買い物はこれで出来る人もいなくなった為、恐る恐る食料支援について聞いてみると、ちょっと送れるかどうか確認しますと言われ、
その後、明明後日ならとの事で、それでもお願いしますと頼んだ。
実際に届いた物は、スポーツドリンクやレトルト食品などだったが、人数分も入っておらず、
少し前に家族でコロナになった友人から聞いていた物とはかなりボリュームが違った。トイレットペーパー等やパルスオキシメーターも入っていたというが、もちろん入ってはいないし、友達からお願いする形ではなかったと聞いている。
保健所もだいぶ逼迫しているのだろう…。

まだまだこの閉じこもり生活は続く。
様々な不安、
なんとなく社会から疏外されたような変な感覚。
戻った後にも何かまた心配事がありそうな予感。

次女に「コロナ移してごめんね」と言われた時は、ホントに胸が痛く、誰のせいでもないし、そんな事を思わせないようにしていかなきゃと涙を堪えた。

なかなか体調をしっかり整える事に集中出来ないが、子ども達をしっかりこれからも支えていかなきゃいけないなと思う。

どうか差別のない優しい社会に。

チラシ


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