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私も誰かに支えてほしい、支援員だって充電が必要なのだ、人間だもの。(障害者施設支援員・S)

「コロナ禍」
新型コロナウイルス、という言葉がニュースで初めて流れてからもう2年が経った。今年はなんと3年目である。最初に知ったときは「怖い病気だな」とは思ったけど、せいぜいゴールデンウイークまでには落ち着くだろうと思っていた。まさか、まさか、こんなに長引くとは…。
私は入所型の障害者施設で支援員として働いている。一般社会で生活するのに困難を抱える方を支える職業で、大変なことも多いが、悩みながらそして少しずつ成長していけるこの仕事に就けて心からよかったと思う。

しかし、ご存じの方もいらっしゃるかと思うがコロナ対策はかなり厳しい。
まず職員に対しては、県外者との接触や県外への外出が実質禁止されている。やむを得ず接触したり外出したりする場合は、出勤前に抗原検査で陰性を確認する必要がある。
と、こう書くとたいして厳しくないじゃないか、と思われるかもしれない。
しかし入所施設という性質上、心理的にかなり「コロナを持ち込んではいけない」とプレッシャーがかかっている。私は今23歳で、いろんな欲望がある。旅行に行きたい、演劇をしてみたい、フェスに行きたい、ライブに行きたい…など。でも人混みは避けないといけない、不特定多数の人と活動するのは良くないかも、県外には行けない…と考えていくと、できることはどんどん限られていく。そしたら私の希望もどんどんしぼんでいって、なんだかつまらないし元気がなくなってくることがある。

利用者さんに心身ともに元気な状態で接して、気持ちのこもった支援をしなくちゃいけないのに、それができないときがある。私も誰かに支えてほしい、支援員だって充電が必要なのだ、人間だもの。

誰が悪い、とかはもう今更ない。ただ、早くコロナが終わって、何でも自由にしたいことができる世界になってほしいなと思う。

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