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ごちゃまぜクラス担任になった1学期



自由学園 2年目に。


1学期が終わり、
4/11から始まった1学期を
少しずつふりかえっていきたい。
長いですがよかったら読んでさい。



自由学園として、
これまで100年の伝統が紡いできた男子部・女子部から、
その伝統を新しく紡いでいく共生共学化になった。

男子(中高)・女子(中高)だったのが、
中・高に分かれた。

1学年1クラスで過ごしてきたのが、
初めてのクラス分けがあった。




ここにいたるまでにも生徒、教職員の中でもたくさんの話合いを重ね、
ようやく4月を迎えることができた。

例えば、
入学式のこと、クラス編成、教室配置、
教師室レイアウト、服装、デバイス、連絡ツール、懇談、対話、中高のつながり、、、、






そして、
私としても自由学園としても、
初めての試みの「縦割りクラス」が誕生した!

縦割りクラスは、
高3~高1までの人が男女ごちゃまぜにいるクラス。



9割の学校では、横割りクラスしかない。
私も高校時代は横割りのクラスだった。



生徒には横割りクラスか、縦割りクラスかの希望制にして
アンケートを取った。
そして、
高1:11人 高2:3人 高3:6人の20人クラスに!!



そもそも、
クラスって何で必要なの?ってところから
教職員で話し合った。




〇多様な人と関われる
〇同じような人たちばかりにならない
〇社会の在り方に近い形
〇性別や年齢による隔たりをなくしていく
〇安心/居場所/対話がないと学ぶことが難しい


多様、共生、協働、人とのつながり
がキーワードにあがった。


クラスとは、
平和をつくりだすための1単位

自由学園クラス編成チームより





今の社会をみれば、
同じ年齢で、
同じ箱の中に
朝から夕方までいて、
授業の受け方もみんな一緒、
机と椅子にずーと張り付いてる
のは学校という場所だけ


明治時代のまま。

人を統制するのにそれが1番効率がいい方法で、
優秀な人を育てやすいから。


同じが多ければ多いほど、
違いにばっかり目がついて、
「あの子、なんか私たちと違う。」っていうことになる
「あんな子もいていいよね!」とはなりにくい。





一歩社会に出たら、
年齢も性別もキャリアもバラバラな人たちが
共生して、一緒に学んで、仕事をしている。



そこの人間関係、コミュニケーションの取り方
が社会ではとっても大事なのに、学校では学ばない。
話合いではなく、大人になるにつれ我慢をすることを学んでいく。

それぞれ立場が違うからこそ我慢ではなく、
「I(アイ) メッセージ」を伝えることが大切なのに。



社会ー学校が1番つながっていなきゃいけないのに、
何で学校だけこんなに社会と
かけ離れているんだろう、、、、



そんな閉ざされた学校から、
社会へとつながりある学校へ!!!




4月から始まったごちゃまぜクラス(Aクラス)は、
新しく高1を迎えるために、高3,高2が黒板アートしたりメッセージカード作ったりした。

高3が高1の入学を祝うために書いた黒板アート


ほんとに高3,高2生が兄・姉のように、
関わり、接してくれている。
流れがよくわかっているので任せても大丈夫っていう大人の安心感がある





4月初めの
懇談(毎週土曜の1限クラスで過ごす時間)で、

「どのようなクラスにしたい?」
をみんなで話し合った。


みんなから出た言葉を紹介したい。
「個人と団体を尊重できるクラス」
「家のような場所」
「学年男女関係なく支え合うことのできるクラス」
「Aクラスに来たら落ち着けるカフェのような場所」
「みんなの逃げ場にのような、落ち着ける場所」
「ここだけは自分の本音や自分の思いをみんなに伝えられる」
「みんな笑顔」
「帰ってきたくなる場所」
「安心して自分の気持ちを話せる場所」


Aクラスの教室のようす
前が個々の机椅子、後ろがみんなで丸く集まる場所
朝と帰りの時間のようす


授業は各学年ごとなので、
全員が集まるのは、朝と帰りのクラスの時間。


朝は「おはよう。」から始まり、
帰りは「おかえり」って教室で迎える


20人という少人数は、
去年の50人クラスの半分以下。
担任は3人



この場所はいろんな使い方をしてる人がいる。
剣道の練習をしている人がいたり、
椅子を並べて寝てたり、
違うクラスの人とのたまり場になったり、
空きコマで自習する場になったり、



この3ヶ月間の彼ら彼女らの
1人1人の顔の表情やことばは日に日に変化があり、
あなたのその時感じてる素直な気持ち
を大切にしたいと思った。





クラスが
我慢しなきゃいけない場ではなく、
安心して話せる場であること。








なので、
土曜1限の懇談の時間は、
クラスでの決め事や報告で終わるのではなく、

サークル対話で
みんなの最近考えていることや、今の気持ち
を問う時間にした。



怒り・不満・悩み・焦り・心配・決意・願い……
がたーーくさん出てきた。

とっっっても人間らしい!!
それを解決することも大事だが、
まずみんながその人の気持ちを受けいれる。





あなたがあなたらしくいいていい
そのままでいいんだよ
伝えてくれてありがとう





1学期の最後にこんなふりかえりを話してくれた
高3男子がいた。

「クラスを選ぶときにどうしても5年間同じクラス、共学化に当たり、女子部生と一緒になるというのはあったが、それでも同じ人、同じ空間に慣れすぎていて、つまらないように感じていた。最後だし、何かできることをしたいと思い、Aクラスを選んだ。この3か月生活してみて、皆がAクラス来ようという人たちで、いい空気感、優しいところはAクラスにしかないいいところ。自由学園の中でAクラスができたのは大きいこと。どうしても、クラスにそういう場所がない人は個人で集まって他の場所で話していたが、こうやって皆で一緒になれる空間が自由学園で新しく作られたことは大きい。まだ1学期だが、卒業した後、来年も色々な人が入ってくると思うが、今Aクラスで大切にしている空気感を僕体が伝えていけたらいいんじゃないかと思う。」

7/13(土)1学期最後の懇談での高3男子の言葉


まず、前提として
「クラスの中に性別、年齢が違ってあたりまえ」
が彼ら彼女らのマインドにある。
そして、クラスでのグループ化が起こっていない。




クラスから平和をつくり出すとても大きな希望をもってスタートできた。


まだまだ課題はあるが、
20人、1人1人が
どんな顔で夏休みから帰ってくるのかが楽しみでしかたない。




私の居場所でもある
このクラスをあと半年見守っていきたい。



ここまで長く読んでくださり、
ありがとうございました。




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