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散歩 かけがえのないひととき

 街路樹が揺れる遊歩道沿いに暮らしている。季節によって木々は姿を変えるし、窓から見える通りの姿は、小さな癒しでもある。

 小学校の通学路にもなっているので、朝は少しにぎやか。4月は黄色い帽子の一年生の姿が気になる。月曜日は持ち物も多くて、登校班の班長さんに必死でついて行く。小さな体でがんばっているのを見るのは、それだけで力をもらえる。

 季節が良くなったからか通りを歩く人も増えた。走る人も。本格的なウォーキング、という人も。後ろ向き歩きの人まで。いろんな人がいて、いろんな歩きがある。

 土曜日の朝、お父さんと犬の散歩を見かけた。犬さんもはりきって小走りに行くが、しばらくして、お父さんに抱っこされて帰ってきた。わたしは犬のことはよくわからないけれど、お父さんに甘えているのか、とてもかわいいと思う。しょうがないな、そんな感じだ。

 ぺットを飼う人が増えているからか、いろいろな犬との散歩姿を見かける。淡々と歩くお母さんと犬…リズミカルでキリッとしてる。ジョギングを兼ねたお兄さんと犬…バディのようでかっこいい。それぞれが深い信頼関係なのだと思う。なんだかわかる。歩く姿で。

 散歩はいい。特に目的もなく、なんとなく歩く。早歩きもいいけど、やはりゆっくり歩くのがいい。足元の草花にも目が行くし、木陰から鳥の声がしたりもする。

 学生の頃はそんな余裕がなかった。常にどこか目的地に向かって動いていた。今も仕事がきつくなると余裕がない。散歩を楽しめるのは心のゆとりだとしみじみ感じる。散歩、そのゆとりを、その貴重なひとときを大切にしたい。

いろいろな花との出会いも好き

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