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女性の活躍しづらい国 日本について考える

日本の雇用情勢には未だに男尊女卑が残っているのだろうか。
今の日本について、今まで考えていたことと合わせて徒然なるままに書き連ねてみる。賛否両論各々方のお考えとはいささか異なる点も多いと思うが、私のよしなしごとにて、悪しからずご了承願いたい。

私は今の日本は女性が活躍しづらい国だと思っている。
1972年に勤労福祉婦人法が制定され、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律が明確化された。その後幾度かの法改正を経て現在の男女雇用機会均等法という名前になった。
常々、女性の働き方や雇用のされ方について考える機会も多かったが、今回noteを綴るにあたってあらためて調べて、まず驚いたのは1972年という新しさ。私が生まれたのが1976年であることから、私が生まれる少し前までは、法で定める必要があるほど、差別的な雇用がされていたということだと思う。あの頃すでに共働きで稼いでいたお母さん、さぞ大変だったでしょう・・・

時は令和、世は低賃金戦国時代の真っ只中、保育園は待機児童で溢れ、老人介護施設は入所待ちに溢れ、核家族、夫婦共働きが当たり前、老後の年金に1㎜の期待も持てない未曾有の時代が訪れている。
多くの人が格差社会だ、富の再分配をしろと声高らかに叫ぶが、イエール大学の成田さんに言わせると、日本の格差社会など世界に比べたら可愛いもので、本当の問題は日本の金持ちも世界レベルでは貧乏になっているという、国単位での貧困化が問題らしい。庶民にはよくわからない話だが、少なくとも政治や市町村運営に必要な税金のほとんどは5~10%の富裕層、企業からの税金がほぼ賄い、一般市民の我々がいくら税金を納めたところで市役所の一人分の年収にも足りないのに「なにが再分配だ」と言われたら、「まぁそうなんでしょうすみません」と開き直るしかないが、お役所仕事に納得がいかないときに「税金払ってるんだぞ」と声高らかに叫ぶのは小市民の少ない娯楽の一つとしてご理解いただきたいものである。

そんな我が愛する日本で、私が女性の雇用について考えるきっかけになったのは、飲食業に勤めていた20年間でのことである。
ある日、昼間のパートさんを雇用している際、なぜパートさんというと=女性となってしまうのかという、当時の私の仕事には意味のないことを考えを始めたのがきっかけだ。そもそもあの頃の頭の悪い私は(今でもあまり変わらないが)、突発休みをせず、土日も働けて、16時くらいまで可能で、子供がもう高校生くらいである程度一人立ちしてて、25歳~40歳くらいの女性来ないかなぁ~~という、今考えるとバカすぎて恥ずかしくて顔から火が出ても許してもらえないほどの阿呆なことを考えていた。
少し考えたらわかることで、まずパートで働く必要のある方、パートの雇用形態を望む女性は、
①家庭があってフルタイムで働けない方
②フリーター
③他に大口の収入があって扶養内でしか稼いではいけない方
以上の3種類がほとんどであった。むろん②と③などは、まぁ待ったところで来るものでもなく、基本①の女性がターゲットであったが、女性の結婚年齢、出産年齢を考えると、高校生の15歳を足した時点で当時の私の考えが破綻しているのかは、いうまでもない。
つまり25~45歳の女性で家庭に入り、フルタイムで働いていない女性は子育てという仕事をしていたのだ。若い頃の私の想像力の低さすごい。
しかしそこから、25歳~45歳くらいまでの使い方が男性と女性で全く異なることが日本における女性の働きにくさに直結しているのではないかと考えた。
男性で25歳~45歳というと、知力・体力充実する時間であり、キャリアを積むメインの時間である。この時間に培ったキャリアが60歳までの過ごし方を左右すると言っても過言ではないだろう。(47歳で転職した私が言うか?)
対して女性はその知力・体力が充実した時間を、古きよき日本の文化によって子育てに充てなければならない。
結果、子育てが終わった女性がイチからキャリアを積むということが同世代の男性に対して現実的ではなく、また企業サイドも雇用するなら若い新卒を雇用するわけだから、いざ働こうという女性にはパートを掛け持ちするなどしか選択肢はなく、挙句の果てにさぼってばかりのクソホワイトカラーの中年よりも労働時間は長く、社会への貢献もしているにも関わらず、低賃金での労働を余儀なくされる構図が今でも散見しているのが、1972から最も変われていない日本の最も悪いところだと思う。
もちろん社会的な課題も多い。
・子育て、生理に対する社会の理解の低さ
 (特に生理に関しては女性間でも理解が深いとは言えないと思う)
・働き方改革をしなければならないほどの長時間労働の常態化
・男性管理職の女性雇用に対する根強い否定的な考え
・女性のキャリア形成が企業の建前だけで、実際は机上の空論となっている
・女性管理職の意見をフラットに聞けない(聞かない)風潮
未だに女性管理職の発言をヒステリックという言葉で片づける方々は自分のもらっている給料をぜひ相手に伝えて返す刀で切られてほしいものである。

ただ最近は雇用だけを見るとかなり状況は変わってきていると思っている。若者は半年以内の転職を当たり前とし、ことあるごとにハラスメントを叫ぶ世論に、企業の育成に対する熱意と自由は迷走し、みんなでコーチングという業務と無関係の自己啓発を是とするも離職は止められず(むしろコーチングによって自分を発見してしまい離職するケースさえあるから面白い)、結果、今までポンコツに仕事を与えるために作った意味のない事務作業をこなすポンコツ人材が足りなくなり、本業よりも意味のないサイドワークにあくせくする時代。もはや誰でもいいから雇用してみる!という意思決定を企業に押し付ける素敵な時代になったとは思う。
正直、男性でも女性でも新規就職、転職の状況は大幅に改善しており、一昔前のどんなに頑張っても無駄な時代ではなく。「為せば成る、為さねばならぬ何事も。為らぬは人の為さぬなりけり」かの米沢藩藩主の言葉が労働市場において現実になりつつある時代だと私は感じている。(一部地方は除く)

しかし、私の周りにいる一部の男性はこう言うのだ

結婚したら、嫁さんには家庭に入ってほしいんだよね

そして、私の周りにいる多くの女性はこう言うんです

結婚して早く退職して旦那の稼ぎで暮らした~い

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい、酔ってんの?
もしかしたら一番変わっていないのは日本人の根本的な考え方かもしれない・・・・

日本は日本人が、女性が活躍しにくい国にしているのかもしれない

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