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田舎が嫌いな私と転職のきっかけ

私の出身は山口県山口市。
よく言えば西の京だが、ただ菅原道真が防府にいたこと、毛利家の足元だったこと以外は、戦後以降で言うならばただの田舎である。
勿論、明治以降、総理を多めに排出したことにより、県道の整備がピカイチと言われたこともあったが、今は昔の話である。

私は田舎が嫌いだ。

ここで一つ「田舎」の条件定義についてはっきりさせておきたい。
なぜならば、関東圏内で地元を「田舎」と言っている世間知らずな方々は、本当の「田舎」を知らないと私は思っている。
まず、日帰りでコンサートや、ディズニー、都心にアクセスできる範囲にお住まいの方達は、たとえ片道2時間かかろうが、私的には田舎ではない。
車がないと生活が不便だろうが、バスの本数が少なかろうが、たとえ千葉の外房であろうが、私から言わせると「田舎」ではない。それは住みやすい「のどかな町」だ。
私の地元に初めてセブンイレブンができたのは1990年になってから、高校生のころであった。ソーセージおにぎりに激しく感動したことを今でも覚えている。今でこそ、ネットでなんでも手に入るようになり、コンサートもVRという選択肢もあれば、遠くの人とZOOMで話をすることもできるが、では聞こう、実際行ける場所にいたら、コンサートは現地とWebと、どちらがいいですか?

山口に流行りの歌手は誰も来なかった。広島でコンサートが行われると、次は福岡での開催、そもそも西日本は福岡のみということも多かった。
つまり山口からコンサートに行こうとすると泊り掛けが基本。宿泊と新幹線が必須な状況は、日程的にもきついが、バイトもできない高校生時分の私に選択肢がないことは、諦めに等しかった。学校帰りにドームなんて夢のまた夢である。
TVは民放が2つとNHKが2つ、フジは映らなかった。朝の情報番組で流れる流行りのスイーツは食べられない、近くにない、現実的でない時点で海外の情報と価値は変わらなかった。
よって田舎の定義としてはっきりさせておきたいのは選択肢の幅があるかないかという点だと私は考えている。
ちなみに選択肢がある中で行かないのは「選択の自由」である。
「近くにあっても行かないよ?」・・・違う、「行かないことを選んでいる」のか、「行けないのか」には天と地ほどの差があるのだ。
「不可能」なことが私の中では許されない価値観になっているのだ。

空気がきれい?住んでいる人の気持ちがあたたかい?住みやすい?物価が安い?
よく目を凝らしてみるといい、今の日本は環境についてはどこも変わらない。ツーリストに対して田舎の感じがいいのは金を落としてくれるからだ。実際住んでみたら強烈な排他的田舎の保守団体に迎合を余儀なくされ、コミュニティさえも選択できない自由のなさに自分らしさの崩壊は免れない。

ということで、私は田舎に行けと言われたら転職すると決めている。

関東にお住いの諸君、田舎は今でも番組表は1画面に収まるほど少なく、下手したら貴君らが当たり前と思っているチェーン店さえ存在しないことがよくあるのだ。
大阪、広島、福岡ならいいじゃないか?だめだよ。ビッグサイトのコミケいけないじゃん。テレ東でWBS見れないじゃん。だったら神奈川の端っこだろうが、茨城だろうが埼玉のはずれだろうが、そっちの方がよほどまし。関東圏以外は全部田舎。だって住みやすさなんて今の日本で、不便を感じるとこなんか離島か北海道くらいだと思う。広島とか福岡で高い家賃を払うなら関東のはずれのほうがよほど住みやすいし、安くも住めるってもんですよ。

そんな理由で前職を颯爽と辞めてやった私。
多くの人が一度はやってみたいボーナスをもらった次の日に辞める宣言。
これだけは実に面白いと思ってしまう。昇格ごときで私の決意は揺らがない。

さてはて、私が「都会」に飽きて「田舎」でのどかに暮らしたいと思う日は来るのだろうか・・・



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