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あのイタズラ姉妹猫め!!

「二階に行ったら悪さするよ!」
「大丈夫だって!」
と、二匹の姉妹猫の行動範囲を巡り家族と対立し、二階で遊ぶこと推進派の先陣を切った。

一階のリビングにばかりいたって姉妹猫もストレスが溜まる。
姉妹猫が二階に上がって何の問題があるのだと、ドアを開け家の中で自由にさせてみた。

そのまま仕事に出かけたある日、自分の書斎部屋に入ると何やら荒らされた形跡が若干ある。
片付けていたはずのものが出ており、何者かが故意に荒らしたことは間違いない。名探偵さながらに自室を見まわすと、とあるものが目に入る。


愛用の耳かき


おい、綿毛のところはどうした。

あのイタズラ姉妹猫め。

と叱りたいところだが、
「二階に行ったら悪さするよ!」に対して反対意見を述べていた身である以上ここは立場が非常に不利だ。

何食わぬ顔で手足を伸ばして眠っている姉妹猫は、証拠不十分で不起訴になると分かっているのか余裕が見える。

俺はお前たちを信じたからこそ二階への扉を開け放ったのだぞ。
それをこともあろうになぜ俺の部屋で犯行に及ぶ!

という思いすらもぶつけることができないまま、名探偵兼被害者は綿毛を諦め、もともと俺には綿毛の部分なんて必要なかったのさと言わんばかりに何食わぬ顔で耳掻きに手を伸ばす。

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