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美酒伝承のお酒「酔仙」【岩手県陸前高田市】

今回は前回の愛知県蒲郡市からのしりとりで、岩手県陸前高田市とその名物についてご紹介します。

東日本大地震から復興を遂げ、以前の豊かな街に戻ってきた陸前高田市。

そこには東北ならではの美味しいお酒がありました。



岩手県陸前高田市ってどんな街?


陸前高田市は岩手県の南部に位置する街で、宮城県の気仙沼市と隣接しています。

人口は約2万人。
震災の影響があっての人口減少もありましたが、今は少しずつ盛り返しています。

震災後から10年間は市役所もプレハブの仮庁舎でしたが、2021年に新庁舎が完成し移転しています。

読み方は「りくぜんたかた」ですが、
市民の方は方言が混じり、
「りくぜんたがだ」

「りくぜんたかだ」
と濁って発音することもあるようです。


奇跡の一本松

元々陸前高田市には高田松原という松の木が約7万本あったとされる場所がありました。

この松原が過去の津波から街を守る役割を果たしてくれていました。

ですが東日本大地震での大津波には耐えることができず、ほぼ全てが流されました。

しかしその中で一本だけ唯一津波に耐え残った松の木が、「奇跡の一本松」と呼ばれる木です。

流されずに耐えはしたけれど、塩水の影響は大きく後に枯死してしましました。

ですが津波に耐えて残った姿は復興を目指す人たちの心に影響をもたらし、
また、復興のシンボルとして後世も残していこうという思いのもと、「奇跡の一本松保存プロジェクト」が立ち上がり、保存に向けて活動がされています。

今この奇跡の一本松がある場所は、
「高田松原津波復興祈念公園」として再整備され、津波の被害と復興を後世に残す場所になっています。



美酒伝承のお酒「酔仙」

陸前高田市は震災後に再度立ち上がり様々な方々や会社が復興を進めてきました。
陸前高田市の酒造メーカーである「酔仙酒造株式会社」さんもその中のひとつです。

海岸から約2kmに位置していた酔仙酒造さんも例外なく壊滅的な被害を受けましたが、現在は新たな工場を建て昔から伝わる陸前高田の美味しいお酒を作り続けています。

酔仙酒造さんが考える美味しいお酒とは、飲み飽きない、舌や鼻に引っかかるものがない“きれい”なお酒ということ。

そのために様々なことにこだわり、また土地ならではのお酒造りにもこだわりが見られます。


「酔仙」のこだわり

“きれい”なお酒を造るために、原料米やその精米具合、発酵の管理から麹の作り方もこだわり作られています。

麹は重くない軽快な麹を作り使用されています。

お酒の成分の中で80%にもなる「水」に対しても特にこだわり、クセがなく無臭の綺麗な水を使用されています。
これは震災後に新工場を建設するにあたり、事前に3本のボーリング調査で水質を調べ、3本目で氷上山の麓に納得のいく水が取れる場所にいきつき、その場所に工場を新設しました。

原料となるお米の精米から仕込みに至るまで、あらゆる工程にこの氷上山の綺麗な水を使用されています。



震災でほぼ壊滅的なダメージを受けた陸前高田市でしたが、今や復興を遂げ元のきれいな街を取り戻しつつあります。

もちろんまったく元通りではないのかもしれませんが、伝統は失わず、新しくこれからを作り続けている印象です。

その陸前高田市の名物である日本酒「酔仙」をみなさんもぜひ飲んでみてください。



陸前高田市のHP


酔仙酒造さんのHP


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