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【週刊プラグインレビュー】ANALOG OBSESSION / BUSTERse

今回はANALOG OBSESSIONから販売されているコンプレッサー
「BUSTERse」をレビューします。

ANALOG ABSESSIONはTunca氏がプラグイン開発を務めるプラグインメーカーで、基本的に現在はPatreonというサイト上でのみ入手できます。
プラグインメーカーとして歴史がまぁまぁあり、なんやかんやあって今は全プラグインが無料です。無料!!!なんで!!!

月5ドルからパトロンになれるので、今回のレビューでBUSTERseや他のANALOG OBSESSION製品が気に入った方は是非サポートしてみてください。
これからも安定してプラグイン開発・販売をしてもらうために・・・。


さて、今回のBUSTERseのレビューに入るまえに一つ言い訳です。
筆者はNEVEコンソールのスタジオで育って、ミックスは基本ITBで終えてしまう世代のため、正直実機のSSL buscompの音を熟知していません。
使ってもリズム録りのラフミックスやラックタイプの384くらいです。
なので実機と比べてどうかという比較はしません。いや、できません。。。

これまで販売されてきた他社SSL buscomp系の製品との比較・純粋にひとつのコンプレッサーとしてどんなサウンドかというレビューをしていく予定です。
その部分よろしくお願いします。

今回取り上げるBUSTERseはANALOG OBSESSIONが過去に配布していた「BUSTER」という製品に、サイドチェインオプションを追加したものになります。「se」がなんの略なのかはわからないです笑

元ネタのSSL社のBusCompは1976年にリリースされた4000BシリーズからSSL社のコンソールに搭載されたもので、1991年には384Gとしてアウトボード化し、近年でもTHE BUS+のサウンドの要を担うコンプレッサーとして知られています。

CLAを始めとして多くのエンジニアに愛されたサウンドですし、数々のプラグインメーカーがこぞってモデリングしているので、意識せずともそのサウンドは耳にしたことがあるはずです。

※CLAはキックとスネアと歌が出てきたらマスターセクションのBusCompを入れちゃうタイプなので、より味濃くSSLサウンドを楽しめる。

VCAコンプってどんな感じだったっけ?という方は以下の記事も併せて読んでみると楽しいと思います。他の駆動方式に関してもざっくり知れます。


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BUSTERseの概要

BUSTERseはコンプレッサーセクションとサイドチェインセクション、コントロールセクションに分かれています。

コンプレッサーセクション

コンプレッサーセクション

THRESHOLD (dB) : +15 to -15
ATTACK (ms) : 0.1, 0.3, 1, 3, 10, 30
RELEASE (sec) : 0.1, 0.3, 0.6, 1.2, Auto
RATIO : 1.5, 2, 3, 4, 5, 10
MAKE UP (dB) : 0 to 15
MIX (%) : DRY to WET

従来のSSL BusCompとほぼ変わらない設定。
THE BUSほどではないですが、RATIOやATTACKに細かくパラメーターが追加され、より幅広い音作りが可能になっています。

サイドチェインセクション

HPF (Hz) : 20 to 500
MID (~1500Hz) : -6dB to +6dB
HF (~10kHz) : 0dB to -10dB

出力される信号ではく、コンプレッサーが検出するサイドチェイン信号の帯域をブースト・カットします。
HFをブーストしていくと有名なOptoコンプのようなサウンドに近づきます。
(恐らくLA-2A ???)

BOOST (dB) : 0 to 10
サイドチェイン信号のアタック部分を強調します。よりトランジェントに鋭敏なコンプレッサーにできます。
TILT (~1kHz Center) : -6dB to 6 dB
1kHzを中心点としてティルトEQの様にアタックを増減します。
例えば6dBブーストすると、1kHzより低い周波数のアタックが6dBカットされ、1kHzより高い周波数のアタックが6dBブーストされます。
MIX (%) : DRY to WET
トランジェントセクションの具合を調節します。
100%で使うと本来のリリース感が崩れてしまうので、DRYに戻していってナチュラルなサウンドがキープできるようにします。

コントロールセクション

MAIN : General Bypass
TURBO : Turbo Mod

Turbo Modはコンプレッサーの効果を全帯域に適応します。
OFFにするとオリジナルのように中域にフォーカスしたサウンドになります。

※この部分、検証してみたのですが、いまいちどういうことかわかりませんでした・・・。
聴感上では帯域ごとのレシオに変化があるように聞こえます。
そもそもの出音のレンジが変わるようにも感じる・・・。
好みでON / OFF選べば良いと思います。

XFORMER : In/Out Transformers
インアウト部分のにトランスが追加されることで、インピーダンス、キャラクター、サウンド全体に変化を与えます。
結構明確にチョリチョリ方向の歪みが足されます。
バンドものには最高ですね〜。ポップスだと要注意。

Over Sampling
一応「ANALOG OBSESSION」のロゴをクリックすることで、4倍オーバーサンプリングのオンオフが操作できます。


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