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【週刊プラグインレビュー】Kiive Audio / Distinct!

今月はKiive Audioから発売されているサチュレーター Distinct!についてレビューしていきます。

まずはデモ動画をどうぞ。

オフィシャルの動画からして隠す気がゼロですが、このプラグインの元ネタはOverstayerのModularChannel 8755DSです。
一応元ネタも貼っておきます。

Distinct!は8755DSのEQ部分とDRIVE部分を取り出した上で、独自のデジタルクリッパーを加えたものになります。


Distinct!自体は新しいプラグインではないですが、今月取り上げてみようと思ったのは自宅のモニター環境にAuratoneを追加して「倍音の付加によって再生環境に左右されない音の強さを持たせる」ことの重要性を痛感したからです。

今回はDistinct!と8755DSの機能の詳細や違いを挙げつつ、倍音の付加と音の強度についても取り上げていきます。


Distinct!の詳細

MODE

ODD - 3次倍音を発生させる。エッジの効いた硬めのディストーション
EVEN - 2次倍音を発生させる。心地よいサチュレーションとリッチなトーン
DIGIT - デジタルソフトクリッパー。ドラムやマスタリングに最適。          
    スピーカーからの音を押し出すために中高域が足される。

CONTROL

DISTORT! - プラグインのメインコントローラー。MODEの選択に基づいて
     サチュレーションとディストーションを付加する。
HF - 最大12dBの光沢感や存在感(Presence and Sheen)を与える。
  このモジュールはプリディストーションである。
LF - 最大12dBのローエンドの厚みを与える。
  このモジュールはプリディストーションである。
HPF - シンプルなハイパスフィルター。420Hzまでハイパス可能。
SAT - サウンドに更なる非線形のサチュレーションを付加する。
   INPUTとDISTORT!の値によって音が変化する。
INPUT / OUTPUT - プラグインの音量を操作するクリーンゲインノブ。


機能の検証

ODDとEVEN
こちらに関しては以下の動画でざっくりとした聴感上の印象を持ってもらえればOKです。Distinct!でもおおよそこんな感じの変化が起きます。

以下、一応Plugin Doctorでの測定値

ODD
EVEN
DIGIT

これに加えてSATを上げていくと、Distinct!のデモ動画のように、ジリつきが上がっていくってイメージです。

HFとLF
測定してみた感じ、ざっくりと200Hz以下 / 2kHz以上をブーストできるって感じでした。

元ネタになっている8755DSはLFが30Hz / 150HZ / 300Hzからの選択、HFが15kHz  / 10kHz / 5kHzからの選択式だったので、もしDistinct!のEQの具合がハマらなければ8755DSの帯域を真似てDistinct!の前段にEQを置くのも良いかもしれません。


さてなんとなくDistinct!で何ができるのかわかってきたところで、
何故今回取り上げるに至ったかについてと、実際の使い方に関して説明していきます。


倍音の付加と音の強度

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