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4年「ごんぎつね」

みなさん、こんにちは。これからの国語を知る会です。

令和3年(2021)1発目は実践報告です。教材は、「ごんぎつね」おそらくすべての教科書に採用されている教材なのではないかと思われます。(これ国調べ)

発表者は、Twitterで知り合った静岡県の先生です。コロナ禍において、多くのことが制限され、本当にうんざりしますが、一方で、オンラインが普及し、多くの方とつながることができました。


身に付けさせたい力

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おそらく、C読むことエ

登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変わりと結びつけて具体体に想像すること

でしょうか。先生は、この力を身に付けさせるために、これまでの既習事項から緻密に学習計画を立てていました。



学習計画

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すべてには触れられないので、ポイントをしぼって紹介していきます。



単元を貫く課題

先生は、3時間目の「設定」を読む場面で、みんなで考える課題=単元を貫く課題を子どもたちと創っていきました。

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教師が一方的に課題を与えるのではなく、子どもたちと対話しながら「単元を貫く課題」を設定をしていくことは、これからの国語においてとても重要なことだと思います。



心情曲線

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多賀一郎先生の実践をもとに、ごんと兵十の気持ちを読み取るために心情曲線を手立てに講じました。

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心情曲線については、グループワークの中心にもなりました。

よさ
・心情を可視化できる。
・心情の変化が分かりやすい。

注意する点
・心情の数値は、一人一人の感じ方によって変わる。
・ゆえに、全員で共通理解する理由はあるか。
・ゆえに、教師の恣意的な指導に陥らないか。

などの、指摘がありました。サプライズゲストとしてご参加いただいた水戸部修治先生(京都女子大学教授)からは以下のようなアドバイスがありました。

①心情は、物語全体から読むということが大切である。
②心情の変化に正解はないこと。
③なぜ、変化しているかを子ども自身が実感すること

①については、学習指導要領解説にも以下のことが書かれています。少し長いですが、大切なポイントかと思いますので、すべて引用します。

登場人物の気持ちの変化について、場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像するとは、場面の移り変わりとともに描かれる登場人物の気持ちが、どのように変化しているのかを具体的に思い描くことである。登場人物の気持ちは、場面の移り変わりの中で揺れ動いていることが多い。そのため、複数の場面の叙述を結び付けながら、気持ちの変化を見いだして想像していくことが必要である。また、どの叙述とどの叙述とを結び付けるかによっても変化やそのきっかけの捉え方が異なり、多様に想像を広げて読むことができる。

つまり、場面ごとの【精査・解釈】はもちろん大切ですが、その心情を読み取るためには、文章全体から想像させなければならないということですね。コレ中学年ですよ。


成果と反省

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みなさん、文学教材ってどうして教えるのでしょうか。文学教材では、どんな資質・能力を付けるのでしょうか?私たちが、よく陥りがちな「読み取り」は何のために行っているのでしょうか?

そうした問いを改めて考えるきっかけになりました。子どもが生き生きと学んでいったんだろうなと感じさせる、すてきな授業でした。

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