2023年6月20日

ジブチに到着した。


暑い。とにかく暑い。しかし過ごせる暑さだ。


空港を出た瞬間迎い入れてくれたのはタクシーの運転手の人たちだ。特に個人タクシー(通称:白タク)と思われる運転手の人たちが声をかけてくる。「白タクは乗ってはいけない」と知識を得ていたので、身の危険を感じ、すぐさまタクシー会社のタクシーへ、といきたかったが、早速警察官の制服を着た人物に声を掛けられる。


「海外では警察も信じてはいけない、警察もグルになり、お金を盗られたり殺されたりすることなんてザラにある」ときいていたので自分の警戒心はMAXに。どうやら「車に乗れ」と言っているみたいだが「乗ったら死ぬ」と思ったので拒否。しかし無理やりタクシーに一緒に入ってきて、タクシーの運転手が車を走らせ、すぐそばの小さな警察署のような雰囲気の建物の前で降ろされ、そこで事情聴取を受けた。


その建物の部屋の中は狭く、監獄のような雰囲気。2,3人いた警察官のような人たちはクチャクチャと葉っぱを食べながら口が緑色になっている。そんな警察官かどうかもわからない人たちに囲まれ「ここに座れ、俺たちは警察だ。パスポートを出せ」とポリスが言う。「いや、誰がこの雰囲気であんたらのことを信じられるか笑」と思いながら、自分の手にパスポートを力強く握りしめ、遠目に顔写真のページを見せた。「渡せ」と警察官が言うが私は渡さない。強引に警察官が私のパスポートを奪い取り、いろいろ見た挙句、「どこからきた?」「何をしていた?」「どこに行く予定だ?」といった質問をされた。拙い英語で伝えると交番から解放された。どうやらほんとうにふつうの警察官だったようだ。


2,3日経って冷静に振り返ってみると、そのときの警察官はテロ対策のために取り締まってただけなんだなと思った。親切なのか無駄に厳しいのかよくわからないジブチの警察官とこれから何回も関わることになるとはこのときは予想もしていなかった。


そのあとタクシーでホテルの前まで送ってもらい部屋に着いた。ホテルの窓から景色を眺めると日本にはない建築様式の建物が多くあり、「そうか、ほんとうにジブチに来たんだな」とジブチに来れたことの達成感を噛み締めた。



(ホテルからのジブチの写真)


部屋で一息ついていると突然「ピー、ガチャ」という音がきこえホテルの部屋のドアが開いた。「は!?」とびっくりしていると、入ってきた男が「あ、ごめん。ちょっと部屋の点検にと思ってきただけ、驚かせてごめん」と言いすぐ出ていった。どうやらホテルの従業員だったみたいだ。「いや、まじでびびるわ」と驚きながら、日本だと即苦情になるような従業員の行動に「これが海外か!笑」と海外の従業員の自由さに面白さまで感じていた。


この日にしなければならないことはまだあった。現地通貨がなければ食べ物を買うことすらできない。はじめて海外のATMを使い、現地通貨を引き出す必要があった。


幸い、ATMはすぐ近くにあったので警戒心MAXでATMの操作を進めた。中学英語ができるかできないかぐらいの私の英語力では、ATMに書いてある英語はすべて呪文のように感じられ、不安は増すばかりだった。「withdraw,,,たぶんこれ引き出すって意味よな??」という具合でなんとなく操作を進めていき、なんとか現地通貨を引き出すことに成功した。「え、これ手数料なんぼなん?あとで多額の請求とかされていないよな?てかこれスキミングされてないよな??」といったわからないことが多すぎて不安しかなったが、はじめて海外のATMでお金を下ろせたことに達成感と安心感を感じた。


お金を下ろせたあとにもまだすることはある。夕食がない。海外ではじめて買い物をする必要がある。「はじめてのおつかいのこどもたちはこんな感じの気分なんだろうな」とドキドキしながら商店のようなところに行く。じっと売っている物をみつめながらひとまずパンを買うことにした。値札はない。「え、これなんぼするん!?絶対ぼったくられるやん!」と思いながら、恐る恐る「えーー、This bread,two,please,OK,,,?」と雰囲気で伝えると「OK, one houndred.」とおじさんが言ってくれた。100ジブチフラン(現地通貨の単位)分のお金を渡し、パンの購入に成功した。「よっしゃ買えた!!」とこころの中でガッツポーズをし、ホテルの部屋に戻った。今思い返すと小さい少年のようで面白い笑


ホテルに入り、お金を引きおろせたことと買い物ができるようになったことでなんとかジブチで過ごしていけそうだな、と少し安心した。すべての経験が新しく、これから先の旅にワクワクしながらその日は寝た。

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