戻ってきた
コロナが治り、味覚と嗅覚が戻ってきた。
心安らぐ紅茶の味がわからないのは、ひと息をつくルーティンが崩れてしまって厄介だ。
思考の悪循環を立て直すときや、原稿をするときに飲むようにしているのでこれがなくては捗らない、ペースが乱れる…というのを実感。
寝れない夜に炊くキャンドルも、香りがわからなかったのでぼうっと見つめるだけで少し勿体ない気がしてしまった。
湧き上がっていた不安も、落ち着いたと思ったらまた栓を抜かれそうなできごとが降りかかってきて。
「せっかく元に戻ったのに!」なんてひとりでまたごちゃごちゃと思考を巡らす。
創作は楽しい。
辿り着くまで身体や心が追いつかないこともあるけれど、その世界に入ってしまえば「楽しい」という感覚で包まれる。
推しの言う「エルミタージュ」とはこのことか。
邪魔されない、自分だけの空間をつくる。
多分これがなくては私は潰れてしまうのだろうね。
いま、湧き出しそうな不安や劣情たちもひとまずは今ある原稿に目を向けてやり切りたい。
それが先延ばしなのか、時間薬なのかは、結果はあっても答えはないはずだ。
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