DMM TV『大脱出』 人間にとって最悪の状況が"芸人さん"にとって最高の舞台になる【勝手に寄稿】

DMM TVで配信中の『大脱出』を見ました。ちょっと前に話題になっていたのですが、忙しいのと新たなサブスクサービスへの気だるさ(誰か名前つけてこの現象)で見れておらず。

友人や妻が面白かったというので、見ました。

一言でいうと、「ひとでなしの勇姿、彼らへの恐怖」が詰まった番組でした。

ここでいうひとでなしは、「このひとでなしが!」と言われちゃう、人情のかけらもないような冷血漢のことではなく、単純に「人間とは思えないほど狂った人たち」という意味です。

芸人ってどんなイメージですか?

ひょうきん者、お金持ち、反社、クズ、陰キャ、職人、良い人、優しい人、イケメン、抱かれたい……

時代や見てきたメディアによって、芸人のイメージにはばらつきがあると思うのですが、『大脱出』に出てくる彼らは圧倒的に「ひとでなし」でした。

閉じ込められた芸人たちは文句を言ったり、冗談を飛ばしながら、状況に適応し用意されたヒントを元に脱出していきます。一喜一憂し、アドレナリンドバドバ出しながら、無尽蔵の体力で展開を進めて行く。

これやばいですよ。こういうイカレた事ができる人、できるようになった人、やらなければならない人が芸人なのか?と若干引きました。少なくとも、自分と同じ生き物とは思えない。常人にあんな事できません。

途中まで、「これがプロの芸人なんだ」ってかっこいいな〜って勝手にしびれていましたが、だんだん怖くなってくる。

賞レース等の一連の映像でも芸人さんのかっこよさが伝わるし、今ではあの姿こそが芸人らしさのど真ん中になっている気がしますが、『大脱出』で見ることができるあの姿。あれなんですか?

過酷すぎるのに本人たちはどんどん楽しそうになっていくし、つるんで盛り上がっていくし、スタジオの2人もローテンションなのに興奮しているし、見てるこっちは笑っている。

よく考えてみれば、芸人ってだけでプライベートが無くても何の声もあげないし、痛いのも辛いのも寒いのも怖いのも全部受け入れなきゃいけないのやばくないですか?

全部良しとした上で、ネタにして、笑わせて売れて「おいしい」思いとギャラ(それに伴った高めの生活水準)を手に入れて生きている仕事の人達って冷静に考えてひとでないですよ、まじで。

その態度が先天的なものなのか、後天的なものかはバラバラでしょうけど、今までかっこいいな〜とか羨ましいな〜とか楽しそうだなって思っていた自分が恥ずかしいくらい、芸人って凄い生き物なんだなとわからせられました。

そういう意味ではこの番組は、酷い番組のようで、芸人さんたちの一番凄い部分を面白く全部映している、最も芸人のためになる番組なのかもしれません。

その他、内容とか面白かった所とか、そういうのは他の人がたくさん書いているので割愛します。


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