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〜組織のコミュニケーションについて考えてみた 〜 インナーコミュニケーション版 「#広報ことはじめ」

広報初心者の人にむけた広報のはじめ方、 #広報ことはじめ 先日の記事で、「広報は社会とのつながり=パブリック・リレーションをつくる人」と書きました。

一口に「社会」といっても実はかなりひろく、取引先・ユーザー・株主・関係省庁や社員や社員の家族…と会社がかかわる人が幅広く存在します。

今回はそのなかでも「社内」にしぼったコミュニケーションについて考えてまとめてみようと思います。

✔ ざっくり 「インナーコミュニケーション」とは

・ インナーコミュニケーションとは
一言でいうと、社内の人・ 一緒に仕事をするメンバーに対するコミュニケーションのこと。

・必要になるタイミング
特に必要になってくるのは一般的に組織のメンバーが50-100人あたりのフェーズから。とはいえお互いの考えていることを共有する、という意味ではいつはじめても早すぎることはないと思います◎

中学・高校の頃でいうところの「自分のクラスのことはわかるけど、隣の隣のクラスのことは知らない…」状態が発生するのがこのくらいの規模な気がします。

リモートワークがメインのチームや、常にプロジェクト単位で仕事がすすむチームは、オフラインでのコミュニケーションが少ない分、もう少し早いタイミングからインナーコミュニケーションも必要だと思います。

・インナーコミュニケーションはなぜ必要なのか
チームや会社が大きくなるにつれ、こんな課題がよくおきると言われています。

«会社の場合»
・隣の部署がどんな仕事してるか知らない
・経営層が考えていることがわからない
・社員が自発的に動いてくれない 

«コミュニティやチームの場合»
・自分の属するコミュニティにおいて何がおこっているかわからない
・「前のほうがよかったな」という会話が多くなり、帰属意識が下がる…など

このような課題はどの組織でもほぼ必然的に起きてきます。
(そもそも人間同士が複数人集まる時点でコミュニケーションの課題はおきるので避けられない)

そこで「どのようなメッセージを、どこで、誰が、いつ発信するか」といった戦略的コミュニケーションで課題を解決する狙いなのがインナーコミュニケーションです。

組織で↑のような課題が見えてきたらスモールスタートでもいいので、なにか策をとってみることをおすすめします。

✔ インナーコミュニケーションの主な手段

・社内報 (紙・Web) 

おなじみ、会社でいうところの「社内報」、コミュニティの「会報誌」がこれにあたります。編集部や広報担当が社内の情報を集めて記事にし、編集して社内に定期的(月1・週1)で発信していくイメージ。

人件費・編集コストなど、コストはかさむものの、組織の情報を一度に見れる・自由度高くリッチな魅せ方ができるのはいいところかもしれません。

サイバーエージェント社は事業部ごとに社内報が作られており、アワードが実施されるなど、各部署かなり力をいれて発行されているようです。

■サイバーエージェントの社内報のあれこれが書かれた記事

■このページからサイバーの社内報の一部が見れるみたい。

わたしがお手伝いしているinquireやinquireが運営するコミュニティ、sentenceでも最近週報を出し始めました。月報でなく週報にするほうが意外と編集コストがかからず、かつこまめなアップデートを発信できるのがいいいところです。今後はコーナーを充実させていきたいなと思ったり。

・社長ブログ / SNS
Twitterやブログ、社内SNSやメールを使って社長やトップ、経営陣の考えていることを発信する会社をよく見かけるようになりました。

社内報のようなメディアは大きな戦略発表などのタイミングなどでは有効にはたらくのですが、日々市場や状況が変わるベンチャー・スタートアップにおいてはできれば毎日でも社長の頭のなかを小出しにできたほうがいいなと思います。

その意味ではSNSやブログなど、気軽に書ける場で、編集をほぼ入れずにトップ自らの言葉で語ることが相性がいいのかなと。

■社長ブログ、数年前の記事ですがまとめ記事。

■最近いいなと思ったインナーコミュニケーションの実践方法

よく耳にするのは上記のような大きく2つに分けられるのですが、最近私が耳にした、いいなと思ったインナーコミュニケーションのやり方についても書いてみたいと思います。

✔ slackの分報部屋
slackなどのチャットツールで自分のやっていること、考えていることをひたすらつぶやく部屋、日報ならぬ「分報部屋」をつくるのを最近おすすめしています。

特に経営層の人たちはここで自分が最近考えていることを発信することが社員とのディスコミュニケーションをへらす一歩になる気がするのでおすすめ。

社長以外でも、社員1人ひとりでつくるのも◎社員全員分のをウォッチするのは大変なため、よく関わる人、5人ほどをウォッチすることが私は多いです。

✔ 「社長と1on1」企画
私の所属する会社の社内広報で最近はじまった、「社長と1on1」企画。会社でおもしろい取り組みをしている/ 優秀な成績をおさめた社員と社長が公開1on1をし、それを社内広報が記事にしていました。

この企画は

・会社の他の部署社員の仕事を具体的に知れるという点で、社員のモチベーションアップにつながる

・普段はかたい社長を社員と対等なイメージで取りあげられるため、社長に対してちょっと親近感をもてる

という点でいい企画だなーと思いました◎
その他、社長とランチ企画記事といった切り口でも面白いかもしれません。

✔ 社内向けメディアを社外にオープンにする取り組み
2016年の5月からメルカリ社で運営されているメディア、mercan (メルカン)

・あえて社内に向けた発信も社外に発信する
・PVを追わない
・採用のためのメディアとして発信をする

という点でメディアとして新しく、注目されていますが社長の小泉さんからも以下の記事でこういう発言が。

「 小泉:メルカンが最重要。情報をオープンにすることで採用ブランディングにもなり、紹介されたメンバーのモチベーションもあがる。社内向けだけにやっていることはなく、メルカンに集約している。よく「ここまで書いていいんですか?」と言われるが、組織文化がないと簡単にはマネできないので全く気にしない。情報はなんでもオープンにしていくのが、結果的に一番強い。

こちらの記事ではメルカンのメディアとしての方向性ががっつり。

情報をオープンにする、という文化がある会社ならではのいい取り組みだなーと思いました。

その他、週次・月次で全社朝礼を実施している会社で、

・朝礼をLive配信
・経営陣の対談を録音した社内版Voicyの「耳できく朝礼」チャンネル


をやる会社もあるそうな。これらをとおして朝礼に参加できない地方拠点の方も朝礼を見られるようにしたり、忙しい人も作業をしながら会社の動きをキャッチアップする仕組みをつくっているそうです。

その会社ごとのフェーズや色、文化によって上手に組み合わせてインナーコミュニケーション力をアップさせると、組織やコミュニティの大きなパワーアップにつながりそうです◎

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おわりに

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