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自己成長のためのクラウド

はじめに

これは教育のためのTOC Advent Calendar 2023の11日目の記事になります。

今回は、「エニアグラムによる人間的成長を、教育のためのTOC(TOCfE)の思考ツールを使ってできないか?」という私的TOC for Personal Growthの実験をしてみます。

TOCfE、エニアグラムについては説明しますが、知らなくても大丈夫だと思います。

TOCfE クラウド

「これをやる or やらない」「Aをする or Bをする」みたいな同時に選択できない行動ってありますよね。
2つ同時にできない行動のどちらを選択するか、それとも新しい行動を考えるための思考ツールとしてクラウドがあります。

クラウドは、このような図になります。

クラウドの構造

D: 行動
D': 相反する行動
B: 行動Dによって満たす要望
C: 行動D'によって満たす要望
A: 動機BとCを満たす共通目標

要望Bのための行動D、要望Cのための行動D'には、それぞれ仮定があります。どちらかの仮定を崩すことで、行動を決めることができます。

真に重要な局面で、選択肢ありますか?

「これをやる or やらない」って選択する場面って、そんなにありますかねぇ?
こういった場合、大体「その行動をやりたい/やりたくないから理由を考える」って時にクラウドを使う事が多い気がする。結果として思いもよらない良い行動が見つかった、と言うだけな気がします(あくまで自分の感覚)。

むしろ選択肢がある局面より、引くに引けない状況の方が多いと思います。
例えば、仕事においての上司からの指令なんて、大体やらない選択肢はない「はい or YES」なんですよ。問題を一緒に解決する機会なんてそんなにないと思います。

つまり重要な局面においては、どちらの行動を選択するではなくて、いかに要望に軟着陸させるかってことを考えてるんじゃないでしょうか?
(TOCfEerなら「こういう時はアンビシャスターゲットツリーだろ」って言いそうだけど、そこまでアンビシャスな目標じゃないことの方が多いので今回は無しでw😅)

あくまで個人的な感想なのですが、選択肢がない状態、もしくは行動がうっすら決まっているのであれば、より人間的に成長につながる行動を考えた方が良いんじゃないかな、と思いました。

自身の気質と行動の関係

ここからは、いったんエニアグラムの説明を。

エニアグラムの考えによると、自身の行動の裏には無意識の動機があり、それは自身の気質によって決まるとされています。
エニアグラムにおいて気質が9つあり、その中の1つの気質が強く持っていると言われています。(他の気質を持っていないわけではない。また、実際は、ウィングや発達の諸段階、本能のバリエーションなどによって単純に9つに分けることはできませんが)
言い換えると、自身の大事にしているもの・価値観を満たすために行動しているということです。

ただ、ここに罠があります。
「自身の価値観を満たす」ということは逆に「自分の価値観が満たされないことに恐れて」やりすぎた行動をする可能性もあるということです。
自身の価値観を満たしたいとこだわった結果、本来満たしたいと思っていた自身の価値観に対する行動とは、思い描いていたものと違う行動をしていることがあります。

さぁ、人間的に成長する時だ

一方で、自身の人間的な成長をするために、統合の方向の気質を参考にするとよいとされています。(1→7→5→8→2→4→1, 3→6→9→3)

さて、前置きが長くなりましたが、

自分の気質によって行動する
vs
統合方向の気質による行動をする

というクラウドで作ることで、自身にとって人間的な成長につながる行動を導くことができるのではないか?
というのが、今回のテーマになります。

ワークをしてみよう

  1. あなたがストレスを感じた時の出来事を振り返ってください。
    上司からの指令で、どんな事をしなければならなかったか、プレッシャーがかかった時など。

  2. その時、あなたはどのような行動をしましたか?(行動D)
    ストレスがある状態だと、より無意識に自分の気質を使いやすくなるため

  3. 行動Dに対して、あなたにとっての成長につながるような行動はなんでしょうか?(行動D’)

  4. それぞれの行動は、自分にとっての、どのような要望を満たそうとしていますか?(要望B, C)

  5. それぞれの要望の共通の、自分の成長につながる目標は何ですか?(目標A)

  6. クラウドの要領なので以下略

実例

  1. 私がストレスを感じた状況
    諸事情により、うまく行っていないプロジェクトで方針転換したタイミングで、別の人から開発リーダーを代わるように上司から言われた時。
    リーダーが他にも業務を引き受けていてプロジェクトが回っていない状態、自分も業務が忙しい。プロジェクトが方針転換してまもないカオスな状態でリーダーを引き受けたら自分が潰れると思った。

  2. その時、とった行動D
    現在の辛い感情を吐露する

  3. 自分の成長につながるであろう行動D'
    客観的で合理的に判断する

  4. それぞれの要望
    要望B:自分の業務に集中する
    要望C:人を説得する

  5. それぞれの要望の共通の目標
    目標A:私が良い仕事をする

クラウドを描くとこんな感じ。
作った本人なので当たり前ですが、上半分は自分にとって簡単にできるけど、下半分は自分にとって苦手な行動です。
上半分、シャドウ丸出し笑

下半分の行動を選択した方が自分にとって良い選択ではあると気づくことができました(もちろん解決策は、これから出す仮定次第)

自己成長のためのクラウド

実際のところ、統合方向のことを考えるのは難しいし、共通目標を出すのも難しい。自分の気質以外のことは苦手なことなのでしょうがないです。

クラウドを作ることで、統合方向のことを考えることができるので、これは良い方法なんじゃないかと自画自讃していますw

さいごに

人間的な成長するためには、自己理解・自己受容が必要です。そのためには、

  1. まずは無意識な動機を認知すること

  2. 過去の経験を振り返る事で、自分の動機や行動パターンに気づいて立ち止まるきっかけを作る

が必要だと思います。
過去をふりかえるクラウドではなく、イベントが発生したタイミングでクラウドを作ることができ、自分の成長につながる行動を決めることができるようになるのではないかと思いました。

いつもアドカレの〆切に追われて半分やっつけで描いちゃうので(笑)、別の事例で何個かクラウド作ってみようっと。
あと、誰か、やってみたい人いないかな?

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