手紙
とある病院の一室、病室には1人のお婆さんと1人のお爺さん、周りには2人の男女
女の名前は桜泣きながらお婆さんに寄りかかっている
男の名前は隼人無言でお爺さんを見つめている
桜が散り始めた春の終わり。
これは終わりを見届ける2人の物語
プロローグ
小鳥のさえずりやカラスの鳴き声自転車の音子供達のはしゃぎ声
愉快な音が響き渡る堤防
大きな桜の木のある堤防を見ながら歩く女と車椅子に乗ったお婆さん
桜を見ながら口を開く女の子
桜「私のおばあちゃんはねとっても優しくて自慢のおばあちゃんなの、
小さい頃泣き虫だった私は
よくいじめられてその度大きな桜の木がある堤防をトボトボと歩いて帰ってた。
これみたいに大きな桜の木が・・・桜の木の下で泣いてると
いつもおばあちゃんが来て、
何も言わずぎゅっと抱きしめてくれたの。
・・・ねぇおばあちゃんは覚えてる?」
智子「・・・何の事?私はそんな事は全く覚えてないんだけどね?」
桜「そーだよね覚えてる訳がないよね、あんなに昔の事だもん。仕方ないよね」
女の目から静かにそろりと涙が流れてくる。
智子「おや?泣いてるのかい?」
そー言うとおばあちゃんは桜をそっと抱きしめる
桜「おばあちゃん私の泣き虫はまだ治ってないみたい・・・」
智子「泣くのは悪い事じゃないさ・・・」
桜 「う・・うわぁぁぁ」
桜声をあげて泣いている
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