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蚤の市で物たちに力をもらう

年の叶えたい夢の一つでもある「蚤の市に行く」が叶いました。
大雨の影響で開催が危ぶまれていましたが(実際に初日は中止になってしまいました)、私が参加した土曜日は30分遅らせてのスタートとなりましたが、無事に開催されました。

初参加の私は、そのお店の多さに圧倒され、ただただテンションが上がるばかり。
ほぼ円形になっている広場には、250を超えるテントが並んでいます。
敢えて事前に予習をせずに挑んだので、どこから見ようかと軽くプチパニックに陥るほど、お店のテントがぎっしり。
でも、全部のお店を見ることだけは決めていたので、私は正しく広場の外側からぐるぐると歩き始めることにしました。

まず、北欧雑貨やお菓子のお店、キラキラした果物のシロップが並んでいるお店に心が躍ります。
シナモンロールやカルダモンロールなど、あれもこれも買い込みたくなりますが、いったん我慢。
最初からお土産を買い込んで荷物が多くなってはいけないし、まだお腹が空いていないし、と、いちごシロップのジュースだけ手に入れました。
雨が上がってだんだん気温が上がり暑くなっていた体には、ほどよい甘さでエネルギーチャージができた気がします。

年季の入った木のぬくもりを感じる椅子のお店では、好みの姿の椅子に座らせてもらい、予想以上の座り心地の良さに驚いたり。
 
博物館かと見紛うほどの古い道具のお店では、ヨーロッパや日本の歴史とそれらが残っていることに感心したり、どうしてこんなにたくさんクマのぬいぐるみがいるんだろうと不思議に思ったり。

開始直後、まだ空は曇っています
空は晴れ、座っている仲間も増えました

いろいろな形と種類の食器が並ぶお店では、危うく理性が吹き飛んでしまいそうになりました。
色も大きさもさまざまなお皿、ティーカップ、瀟洒なグラス。可愛らしいミルクピッチャーや小皿もあって、あれもこれも欲しくなってしまい、脳内会議が大変でした。
朝まで雨が降っていたとは思えないほど空はすっかり晴れ渡り、真夏のような日差しになってきました。グラスに付いた雨粒が太陽の光を受けてキラキラ輝いているのを見られたのは、雨上がりの特権です。

本が並ぶエリアでは、昔読んだ記憶のある絵本や、外国の子供向けの本が置いてあるお店に再びテンションが上がります。
お店の前にズラリと並ぶ絵本を見ると、体の奥からワクワクしてきます。
迷いに迷いましたが、一番最初に目に入った絵本をお持ち帰りすることに決めました。
別のお店では、本の内容を表わす一言だけが書かれた封筒に入っている文庫本を購入。本のタイトルは隠されているので、その一言だけが決め手になります。
私が購入したのは、「ある意味聖書(バイブル)」。
内容としては少年の冒険がベースになっている物語のようですが、自分では絶対に選ばないジャンルの本だったので、この出会いを大切にして丁寧に読んでいきたいと思います。

外周をみっちりと歩いた後は広場の中心部へ移動。・・・と思ったのですが、メインステージでアーティストのライブが開催される時間になったので、広場の奥を目指します。
今回の私的メインイベントの一つでもあるアーティストの方のライブです。
あるつながりから彼を知ったのですが、ソロとしてのステージを見るのは初めて。思いがけず良い席をゲットできてしまい、とても楽しく熱い時間を過ごしました。
失礼ながら、彼のいじられている姿ばかり見ていたので可愛いくておもしろい人かと思っていましたが、アーティストとしてギターやハーモニカを演奏したり歌ったりする彼はかっこよくて驚きました。間近で見られて幸せなひとときになりました。

すっかり天気も良くなり、気が付けば広場の中はたくさんの人!
何か食べようかと食べ物エリアを覗くと、どのお店も大行列。朝の早い時間に買っておけばよかったかなぁ、と少しだけ後悔しつつ、食べ物は諦めて、まだ見ていないエリアへ向かいます。

ドライフラワーや洋服のお店を見て歩いていると、食器のエリアに到着。
ここは見たから後で、と方向転換してワークショップを行なっているお店を見て歩いていると、また食器のお店。どうやら私は同じところをグルグルグルグル歩いていたようです。
ここどこ!?と混乱しながらも全部のお店を見るという最大のミッションを掲げて、地図を広げつつまだ見ていないお店を探して歩きます。
古いランプやブローチのお店で真剣に悩み、レターセットのお店で一つ一つ手に取り、途中ジンジャーエールでリフレッシュし、次のアーティストのライブが始まっているメインステージに立ち寄り、何度か広場の中心部で迷子になり。
それでも、どうにか全部のお店に立ち寄ることができたと思います。


合計歩数は19867歩。心ゆくまで蚤の市を満喫できました。
不思議なことに、こんなに歩いたというのに疲れていないどころか元気になった気がします。
それはきっと物から力をもらったから。
物は古ければ古いほど、たくさんの人の想いや声を纏っています。物たちはたくさんの世界を見てきました。
出会った物たちは、何かを伝えるためにその人の目の前に現われたのだと思っています。物を手に取るということは、何かインスピレーションを感じたから。物たちが発する声を聞いて、それに共鳴したからかもしれません。
想いは力を持っています。物が持っている想いは触れた人に力を与えてくれます。
私はたくさんの物に触れて、物たちの想いを感じたことで、力を与えてもらったのでしょう。
たっぷりと満たされた気持ちになり、ふくふくとした幸福感に包まれていました。
 

さて、実はもう一つメインイベントを胸に秘めていたのですが、それは達成できず。秋にも開催されるようですので、その時に持ち越しです。
やはりこういう物との出会いは御縁がすべて。今回出会えなかったのは、きっと意味があるはずです。その意味を知るために、秋の開催を楽しみにします。


それでは、皆さま、良い夢を。

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