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●フアッツ・ドミノ『ウォーキング・トゥ・ニューオーリンズ~68オリジナル・オールタイム・クラシックス』<フードゥー>(18)

【過去の投稿です】


ファッツ・ドミノを「レジェンド」のひと言で片づけるのは忍びないという事で追悼の意味も兼ね、じっくりと彼の音楽に向き合ってみた。

1950~62年の録音。前半はニューオーリンズR&B、後半はロックンロール~ロカビリー色が強い。時代的要素の反映だろう。どちらを好むかの問題だろうが、デイヴ・バーソロミューとのコンビは変わらず、フアッツも極端に変化している訳ではない。とはいえ、初期のピアノプレイやホーン・セクション、ギターなどとの絡みは後半より黒いと思う。ホーンはブリブリゴリゴリではなく、どこか洗練されてほどよい濁りや臭みが漂う感じ。ギターはTボーンを思わせるような、音のほぐれ具合。まさにニューオーリンズR&Bの手本である。後半は、好みじゃないタイプの女性コーラスが入ったり、ストリングスで彩られたり、サックスソロが掴みどころがなかったり、私的には微妙な距離を感じた。もちろん、全般的には素晴らしい曲群だとは思う。

「エイント・ザット・ア・シェイム」が55年、「ブルーベリー・ヒル」が56年。アラン・フリードが「ロックンロール」というワードを使い始めたのが53年だそうなので、大きな転換点を経験したのは間違いない。ただ、そこをマイペースで乗り切った、というよりリードしたのが彼の凄い所ではある。オールドタイムなニューオーリンズらしさを失わないどころか新しい波に溶け込ませたと言えるだろう。私が単に「むき出し」の方が好きだということ。

Blueberry Hill '56

The Fat Man '50

I'm In The Mood For Love '57

YOU DONE ME WRONG '54

Goin' Home '52

Poor Poor Me '52

Going To The River '53

Reelin' And Rockin' '52

Please Don’t Leave Me '53

How Long '52

Careless Love '51

Mardi Gras In New Orleans '53

Rose Mary '53

Something's Wrong '53

Don't You Hear Me Calling You '54

All By Myself '55

I'M IN LOVE AGAIN '56

My Blue Heaven '56

AIN'T THAT A SHAME '55

La La '55

So Long '56

It's You I Love '57

Sick & Tired '58

Little Mary '57

Whole Lotta Lovin’'58

I Want To Walk You Home '59

Walking To New Orleans '60

My Girl Josephine '60

My Real Name '62


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