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恥を知り、友を得る

【ブログの過去記事】

人種差別闘争を象徴する写真は多数ある。1957年、アーカンソー州リトルロック・セントラル高校へ入学した最初の黒人であるエリザベス・エクフォードに対し、怒りをあらわにする白人たちを写した一枚もひと目で脳裏に焼き付く。中でも背後から噛みつかんばかりに大きく口を開けて罵る様子の女性。ヘイゼル・ブライアンという名のこの女性と、エリザベスには後日談がある。

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写真から6年後の1963年。結婚し子供をもうけていたヘイゼルは、自分の行動を恥じエリザベスに電話ではあるが謝罪。エリザベスも一応は受けた。しかし、直接会って謝罪したい気持ちは募っていた。


97年、高校の40周年記念行事に先んじエリザベスの自宅で会う事ができた。仲を取り持ったのは写真を撮影したウィル・カウンツだった。語り合う事でエリザベスにもヘイゼルの気持ちが通じ、しかも性格的に似ている部分が2人にはあり、友情へと発展した。その後人種問題を考えるミーティングにも2人揃って参加したという。

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人間、環境次第で正しい道を見失う場合もあるが、自分に素直に向き合う事で状況は打開できるものだ。


※ジェームス・M・バーダマン著『黒人差別とアメリカ公民権運動』P240~242.

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