sweet blue/自閉症のブルー episode1
私はその人をブルーと呼んでいる。
優しさの青、ブルー。
ある日の夕方
いつものように
自閉症のブルーを迎えに行く。
時々帰りに一緒に買い物するから
ブルーは私に訊いた
「買い物に行くの?」と。
ブルーは話すことができないのだけど
よくジェスチャーで質問をするのだ。
そのくらいの簡単な会話は
私たちの間では成り立っている。
いつもなら返事は
「うん、買い物に行こう」か
「帰るよ」のどちらかだ。
でも
私はそのとき少し複雑な返事をした。
「買い物のメモを忘れてきたから
一旦