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障がいのある彼らと私

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障がいのある人たちとの日々。支援する側の私と彼らの日常を、エッセイのように、あるときは詩のようなもので書いています。
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#障がいのある彼らと私

それってタイミングの問題なんだ/自閉症のブルー episode3

私はその人をブルーと呼んでいる。 自閉症のブルー。 さて 事件が起きたのは土曜日。 私たち…

KooKumi
3年前
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達観 / 自閉症のブルー episode2

自閉症のブルーは話すことができない。 そんなブルーに時々 乱暴な声をかける人もいる。 「お…

KooKumi
3年前
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クリスマスなんて

かわいいあの子は カレンダーの12/23を指差して わたしに聞いた。 「明日はなんの日?」 「あ…

KooKumi
3年前
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それは 誰かの心の中に 君が灯したあかりの話 想像してみて 足元にひとつひとつ 等間隔に 淡…

KooKumi
3年前
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フライデー

私が今日 あの子に言わないといけないニュースは 明日金曜日だけど 自宅に帰らないということ…

KooKumi
3年前
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自分の見ている世界は真実とは限らない、真実ではなくてもいい

東田直樹さんの本を2冊読んで 自分の価値観に 改めてハテナを投げかけている。 会話のできな…

KooKumi
3年前
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sweet blue/自閉症のブルー episode1

私はその人をブルーと呼んでいる。 優しさの青、ブルー。 ある日の夕方 いつものように 自閉症のブルーを迎えに行く。 時々帰りに一緒に買い物するから ブルーは私に訊いた 「買い物に行くの?」と。 ブルーは話すことができないのだけど よくジェスチャーで質問をするのだ。 そのくらいの簡単な会話は 私たちの間では成り立っている。 いつもなら返事は 「うん、買い物に行こう」か 「帰るよ」のどちらかだ。 でも 私はそのとき少し複雑な返事をした。 「買い物のメモを忘れてきたから 一旦