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父孝行登山 in谷川岳

今年の8月、父と谷川岳に登った。
父は学生時代、登山部に所属。
小さい頃、いろんな山に連れて行ってもらったが、
当の私は山登りが嫌いだった。
私が山に興味を持ち始めた頃には、
父は膝と腰を悪くし、満足に登れない身体になっていた。

私にとって、父はずっと憧れの存在だ。
社会のことを幅広く知っていて、
穏やかで心の広い父。
私には手の届かない存在だった。
そんな父に少しでも追いつきたいと思うようになったのは、
社会に出て働くようになってから。
父の見ていた世界を見てみたいと思うようになった。
それが山に興味をもったきっかけ。
いつの間にか「父と山に登ること」が目標になっていた。
そしてこの夏、ついに父を山へと誘った。
父が提案してきた山は、なんと谷川岳。
家族全員が心配したが、
父は2週間も前から地図を印刷したり、
非常食を買ったりと準備万端。
遠足が楽しみな子供のような父を見ると、
母と一緒にほっこり嬉しくなった。

いざ、当日。
ゆっくり歩き始め、無事に頂上へ。
オキ、トマで写真を撮った後、
父は少し奥まで連れて行ってくれた。
一の倉沢を見下ろせる場所だ。

一の倉沢へ続く道

飲み込まれそうなくらいの迫力。
雲も相まって雰囲気マシマシ。
死者を弔うための社もあった。


谷川岳は全体的に何とも言えない雰囲気があって、
「穏やかさの中にある厳しさ」みたいなものをひしひし感じる山だった。


不運なことに、下山時は雨。
久々の登山でよれよれの父を精一杯サポートしながらの下山。
麓で緊張から解かれると、一気に頭痛に襲われた。
水分が十分にとれず、脱水症状になっていたのだ。
家族がお昼ご飯を食べている間、
1人車の中で嘔吐に苦しめられる始末。
(お酒でもあんなに吐いたことない。。。)
水分だいじだいじ。

帰りの車の中で、
父がとても嬉しい言葉をかけてくれた。

谷川は登り損ねた山で、
今回私と一緒だから挑戦しようと思った、と。
立派になったなあ、と。

思いがけない、けどずっと欲しかった、嬉しい言葉だった。
あの憧れの父に、尊敬する父に認めてもらった、
少しでも近づいた、というのが心の底から嬉しかった。
大好きな父の大好きな山登りを一緒にできて、
嬉しそうな父を見ることができて、幸せだった。
最高な父孝行の1日、一生の思い出。

今度は父が登っていた山を目指して、トレーニングを積まないとだな。

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