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リスボンダービーでBenfiquistaになりました(前編)

これはもう1ヶ月も前の話になってしまうのだが、サッカーのリスボンダービーを現地観戦してきた。その結果、見事に魅了されてしまいSLベンフィカのサポーター、通称Benfiquistaになってしまったのが、今回はそんな試合について書いてみたいと思う。

リスボンダービーとは?

サッカーをあまり観た事がないという方にも楽しんで読んでいただきたいので少し説明すると、ダービーとは同じ街や、何かゆかりのある街を拠点とするチーム同士が戦う試合のことを指す言葉だ。今回の場合はリスボンを拠点とするSLベンフィカとスポルティング・リスボンの2チームの試合で、このリスボンダービーはポルトガル国内で最も盛り上がる試合と言っても過言ではない。

というのもSLベンフィカは38回、スポルティング・リスボンは23回(公式サイトより)、ポルトガルリーグを制覇している国内屈指の強豪チームで、それでいて両チームが同じ街を拠点としているのだから最高のライバル関係であることは言うまでもない。ヨーロッパ各国を見回してみても、屈指のダービーマッチと言えるだろう。

人口約1000万人の国で、6万人を集めてしまう一大イベント

いざスタジアムへ!

そんな素晴らしい試合を観戦できることにそわそわしながらスタジアム近くまで来ると、ベンフィカの赤いユニフォームを着た人々で溢れかえっていた。それもそのはず、今回のダービーはベンフィカの本拠地である通称”Estádio da Luz”(光のスタジアム)で行われたものだからだ。それにしても緑のユニフォームを着たスポルティングのサポーターが全く見当たらなかったので不思議に思っていると、少し遠くの囲われたスペースにまとめて隔離されているのが見えた。加えてスタジアムの周りには大量の警官たち。両チームのサポーターを野放しにしておくととんでもないことが起きることが想像できた。

スタジアムに入る前にベンフィカの公式ショップでベンフィカのスカーフを購入した。記念に一番お手頃なものを買っておこうぐらいの気持ちだったのだが、この決断がこの後見事に功を奏することになる。

ショップ内で日本語を発見


スタジアムの中に入って驚いたのが、そのコンパクトさだ。サッカー専用に作られたものであるためなのか、3階席でもピッチがかなり近く感じられる。さらにこれは後になって気付いたのだが、スタジアムの照明が全てピッチに向けられていたのだ。むしろ観客席の方は若干薄暗く感じられるほどだ。誤解を恐れずに言えば、サッカーを最大限面白く観るためだけに作られたスタジアムであるようだった。

そんな工夫が凝らされたスタジアムなだけあって、試合前の演出は圧巻の迫力だった。スタジアム全体、360度どこを見回しても赤く染まり、赤に染まったサポーターたちがクラブへの愛を、忠誠を、そして自らの興奮をその叫びに込め、歌い踊りながらスカーフタオルを振り回す。信仰上の理由からタオルを回す人々には若干の嫌悪感があるのだが(阪神ファンです)、この一体感の中に自分も飛び込みたいと、気付けば歌詞もろくに分からないままタオルを振り回しながら叫んでいた。

試合前の一枚、思ってる3倍は真っ赤

そんな大興奮の幕開けから一転、前半のベンフィカは低調だった。いくつか決定的なチャンスは作るものの、肝心のゴールが奪えない。サッカーに限らずスポーツをよく観戦する方ならば分かるかもしれないが、あまりにもチャンスを逃し続けると次第に流れは相手側に傾いていくものだ。このままスコアレスのまま前半が終わるかに思えた前半45分、カウンターからあっという間に右サイドをするすると抜かれてしまい最後はスポルティングのFW, Victor Gyökeresにゴールを奪われてしまった。追加時間はわずかに1,2分でそのまま0-1で前半が終了した。

ベンフィカ側からすれば想定できる中でも最悪の展開である。このような場合、前半は無難に引き分けの状態で終え、後半に備えるのが理想的、というか点が取れなかった以上、最低限そうであるべき展開なのだ。その最低限を達成できず、負けた状態で後半に突入するというのは最も避けたかった展開である。



そんな最悪の前半を終え、後半どのような試合展開になっていくのか。テレビ番組のCM前の煽りのようで情けない限りなのだが、思いの外長くなってきたので一旦前編はここで終えたいと思う。続きが気になる方、前編だけ読むのは忍びないという方は次の後編を是非ともお読みいただきたい。

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