窓際のおっさん30 私が事務処理を苦手とする理由(2/6) 心情により無限増殖する事務量
前回は、手作業では耐えがたいほどの膨大で手間がかかる処理をミスなくこなさなければならないという矛盾や、そんな状況なのに大きなプレッシャーや感情を押し付けてくる人がいる現状を述べた。
今回は、事務処理にはどうでも良い処理が増え続ける現状を、おっさんの体験から述べたい。
<どうでも良い処理が増え続けて>
おっさんの体験を話す。
あるパソコンの利用状況を毎月、書面に書いて報告せよという指示があった。
そのパソコンは災害用パソコンで、落としても壊れにくいことから、外回りで使うことも想定されていた。
しかし重くて、通常の職場用PCより性能も著しく低く、誰も使っていなかった。
上役も何年経っても機能や仕様を改める気が無いので、本当に必要な人はスマホやタブレットを駆使し、自費自前での仕事をしていた。
そんなトコトンほったらかされていたものを今後どうするか決めるならともかく、利用簿真っ白で誰も使っていない絵面だけを、なぜあえて今から毎月確認する必要があるのか?
せめて利用者アンケートなりを取ってニーズを拾ったらどうか。上司に意図をおっさんが尋ねたところ。
上司「利用率を上げるためだよ。」
と帰ってきた。。。これは話にならないな。
納得できず、おっさんは踏み込むことにした。
おっさん
「ということは、この数値は随時公表などされるんですか? 数字を見せてもっと使うようにと、みんなに促すような。。。」
上司
「いや、公表はしないよ。ただ利用率を把握すれば利用するようになるでしょう?」
おっさん
「え? 公表しないと誰も意識できませんよね?
それに上司さんが利用率を知りたいだけなら、今すぐ記録簿を確認すればいいのでは?
そもそもみんな、誰も使ってないこと自体はほぼ知ってますよ? だからみんな今後どうするか判断を待っているんです。なのにこれ以上改めて利用率を把握する意味があるんですか?」
上司「やってみなきゃわからないでしょ?」
おっさん「いやいや、だからあとどれくらい把握を続けるんです?
加えて事務処理ですけども、毎月利用記録簿のコピーを張り付けて、表紙付けてそこにも数字を入力して。。。
これって利用率を上げるのには根本的に関係ない作業ですし、事務処理ばかり増えますよね。
今回も表紙に数字を書き写すときにつまらない転記ミスしただけで、もの凄く怒られたんですけど。。。
そういうの嫌なんで、せめて表紙なしでそのまま提出で構いませんかね?」
上司
「いやこんなの(表紙作成のこと)すぐ出来ちゃうでしょ? 利用率はみんなが把握すれば意識も高まるでしょ?」
おっさん
「だから把握って、今更みんな知ってますよ? こんなのやって、しかも公表しないんじゃ、課長のチェック受けて引き出しにしまってお終いじゃないですか?
やるならせめて公表してメッセージを醸したらどうですか?」
上司「公表はしないよ」
おっさん「じゃあどうやって意識高める方向に持っていくんです?」
上司「だから~利用率が~(うんたらかんたら)」
全く話が通じない状態だった。
若かったこともあったが、踏み込んで確認しすぎてしまったかもしれない。だが、この程度の仕事の単なる記入ミスで、急にどやしつけられたという状況があって、あまりにもばかばかしくなったので、この事務処理を廃止したいという個人的思惑が強かったのもあった。
しかし長い応酬の末に、結局この意味のない事務処理が無くならなかったのは言うまでもない。
かくも例のように、なにかと理屈をつけて、事務処理というものは無限に発生する。実作業はこなし終えてしまえばそれまでだが、事務処理は。。。
①あれもこれもとりあえず記録しておこう
②とりあえずまとめておこう
③格好悪いから表紙も付け加えよう
④一応引っ張っておいてあとで再チェックしよう(実際はされない)
⑤分かりやすく添付を付けよう(逆に複雑化)
⑥読んだ人に深入りされれないように、資料多めにして煙に巻こう
⑦指摘を受けるかもしれないから保険を打っておこう
⑧一度指示出しして引っ込めるのは恥ずかしいからこのまま行こう
こうした、どちらかというと心情に左右される形で増大していくように思う。
これらの不毛さが露見すると、やらされている方はずっと感情を捨てて機械にならなければならない状況になる。
事務処理はやはり実作業と違って、明確な正解がない感情的仕事なのだ。
感情をぶつけられて己を完全に殺す必要が多々あるので、ストレスフルでおっさんは苦手なのである。
次回に続く
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