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窓際のおっさん34 私が事務処理を苦手とする理由(6/6) 自動化・簡略化・マニュアル化 どうにか意識改革を成せないものか


 前回までの5回で事務処理に纏わる様々な問題事例を挙げてきた。どれも極端で、嘘みたいな話だが本当である。今回はそれらのまとめと、ではどうするべきか、おっさんの私見を述べたい。


 概ねおっさんの経験した事務処理に係る問題をまとめると

① 膨大でミスを誘うようなものばかりなのに、いつまで経っても手作業で、しかもミスが許されない。
② 実作業と違って、心情的理由によって追加の事務処理が無限に増える可能性がある
③ 上司と意見が違う時、どんなにハテナな処理でも、上司に意地を張られて従わされる羽目になること。
④ 形骸化していても、一度決まった処理方法に、何年も何年も拘束されがち
⑤ 俗人化してルール違反が成立かつ形骸化していても、抵抗が激しくてなかなか改善されない

 これらに加えて、時間と労力を著しく削られるため、本来の業務や安全対策、教育などに十分な時間が割けないことも問題である。

ではどうするのか、甚だ理想論だが以下に述べる。

<理想は、自動化・簡略化・マニュアル化>


 おっさんもことあるごとに主張したが、自動化等が叶う事は殆どなかった。
 だがコロナや右肩下がりの成長で時代は変わってきた。世の中のためにも、そろそろ本気で、あらゆる個所を自動化・簡略化・マニュアル化して欲しいと願うところである。
 RPAでできることは機械に、不要な事務は簡略に、それでもだめなら、マニュアル化。
 本来我々は、全部を同時進行させて最適解を作れるはずである。

<自動化・簡略化・マニュアル化ができない理由>


 現在のルールや、属人化した権益にしがみついている人が多い事が原因に思う。

 ① テクノロジーへの理解が面倒くさい(またはできない)。
 ② 簡略化すると「余りにも早く作業が片付いてしまう」ことで怠けて見える。
 ③ 属人化した仕事を手放す勇気がない。また、自分が専属でやってきた仕事のボロがでることが嫌

 こんな有りもしない不安や、卑劣な自己保身ではないだろうか。

<こうした心理的障壁を取り除くには>


 ① のんびりしていても「怠けていてけしからん」などと他者を叱責したり、監視して成績を下げると言った行為が、逆に恥ずかしいんだと考えるようにする。
 ② どっちでもいいものはどっちでもよい(簡便なやり方でもきちっと保険を取ったゴリゴリの処理でも能力評価に差をつけない)という価値観を、経営者側が常日頃から標榜すること。
 ③ とにかく事務処理を減らそうという価値基準を社内で優先させ、例えば目標なり、規定の改訂なりを行って周知徹底させること。

 自分で書いておきながらどれもぱっとしないが、とにかく基準を明確にしつつ、卑劣で発展性がない意識を、改めるように考えを広めるしかないだろう。

<一番問題なのは大事な実作業や安全対策がおろそかになること、そしてそれを支える社員がモチベーションを失う事である>


 日本人の職場エンゲージメントは極めて低い。年功序列や旧態依然としていて改革が起こりづらいという原因もあるが、ほとんどの人が、無駄と分かっている事務作業に忙殺され、その中で自分の立場を守るためだけに構成員同士が争っている状況だからではないだろうか。
 ブルシットジョブなどと近年は問題がようやく注目されてきているが、事務処理はそれが最も顕在化したもので、改革は急務のように思う。

<もっと事務処理を社会問題として注視したらよい>


 実作業や利益を生む部分が、経済上も、個人の生き甲斐の上でも重要なのは言うまでもないが、殆どの人にとっては現在、目立たない事務作業のほうがウェイトとしては多いのではないだろうか。
 それでなんとか仕事と認めてもらって食っているという側面も当然無視できないが、ならばそんなくだらないことをしなくても幸せになれるように、まずは社会そのものを変革に持っていけないだろうか。例えば

 ① 労働時間そのものを減らして給料は据え置く
 ② 贅沢をしなければ生きていけるし、それでよいという価値観を広める
 ③ 一生懸命真面目に働くことを第一の価値観としない
 ④ もっと俯瞰して仕事を見て、どうでもいいことには拘らず、実際的なスキル、又は楽しいと思うことを実現する方向に努力する

 いろいろな啓蒙書で同じようなことが言われているが、結局そうした教えの数々を事務処理のくだらなさと結び付けて啓発できないだろうか。

 同じく我ながらぱっとしない意見ではあるが、noteなどを通じて色々な人が、何度もこうした意見を投稿するのもまた、解決への小さなマイルストーンとなり得るとおっさんは信じている。

 6回シリーズ完読有難うございます。お読みいただいた皆様にも、事務処理の地獄を払拭すべく、ご協力いただければ幸いです。


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