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【読書感想文】超圧縮 地球生物全史 ヘンリー・ジー著 竹内薫訳

はじめに

こんにちは。コヌズメと申します。

しばらく読書感想文が書けなかったのは、本書にめちゃ苦労してたからです。圧縮したら密度が大きくなるんだから、当たり前っちゃ当たり前。侮りました。

以下感想文です。

読書感想文タイトル「イ!?」

本書の内容はタイトルのまんまです。地球ができてから人類滅亡までを超圧縮し、だいたい300ページの物語にしてあります。

生き物が好きなので、勉強してみようかなと手に取りました。

圧縮しているぶん、説明は最小限。したがって読者は、想像力を働かせて読むことになります。生物史の知識ゼロからではすらすら読めません。私もなかなか苦労しました。

しかし、古生物をたくさん知れてとっても面白い。一例を紹介しましょう。

みなさんは、「イ」という生物をご存じでしょうか。

英語では"Yi"。コウモリのような小型の恐竜です。名前が短すぎて面白い。調べてみたらwikipediaも作られてました。今度から、好きな恐竜を訊かれたら「イ」と答えることにします。

所詮は雑学と言われればそれまでですが、いらない知識が増えるのも読書の面白さ。そういう偶然の出会いが本書にはたくさんありまして、満足です。

さて、苦労したとはいえ、38億年を300ページでというのは、大変な疾走です。進化したと思ったら、同じページで絶滅したりします。しかしこれだけ早巻きでも、生き物の多様性には舌を巻きます。

そして、壮大な物語を完走したとき、肩の荷がおりたような感じがありました。

もちろん、人生の不安は何も解決していません。でも、どうでもよいのです。なぜなら、私の人生はこの本の一文字にだってならないし、まして私の悩みなんて、黒インクを構成する炭素原子にだってならないような、もっとどうでもよいことに決まっているからです。

大きいものを知ったおかげで気持ちが軽くなる。生物史セラピーですね。みなさんもぜひ。

著書紹介

超圧縮 地球生物全史
著者 ヘンリー・ジー 訳者 竹内薫
2022年8月30日 第1刷発行、ダイヤモンド社

「ネイチャー」シニアエディターであるヘンリー・ジー氏の著作を、サイエンス作家の竹内氏が訳しあげた一冊。なお、訳者あとがきによると、本書の図表は日本語訳版限定のものである。図表のおかげで原著より読みやすくなっている。


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