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ウルトラマンの最終話は、ウルトラセブンのプロトタイプだった?
ウルトラセブンは『宇宙からの侵略』が作品全体のテーマでした。
なので登場する敵は基本的に宇宙人であり、前作のウルトラマンよりも宇宙の要素がとても強くなっています。
ですが、そのウルトラマンの方でも回によっては宇宙要素が強いエピソードもちょくちょく出てきます。
科学特捜隊が初めて宇宙に行く『科特隊宇宙へ』もそうですし、ジャミラが登場する『故郷は地球』もそうです。
これらのエピソードは宇宙開発というテーマが背景にあります。
バルタン星人やザラブ星人といった侵略者も時折出てくるので、これも宇宙要素と言えますが、中でもウルトラマンの最終話近辺は次作のウルトラセブンと共通し、それまでになかった宇宙要素がありました。
事実上のウルトラセブンのプロトタイプだったと言えます。
ウルトラセブンとの共通点
第38話『宇宙船救助命令』
最終話の直前にあたるこのエピソードは、珍しく地球外の別の星が物語の舞台となります。
『科特隊宇宙へ』でも地球外の星が舞台となりますが、探検するといった要素は無いので、こちらの方がより宇宙としてのインパクトが強いです。
ウルトラセブンは宇宙がテーマの割には、実は言うほど地球外がメインの舞台となるエピソードが少ないですが、第36話『月世界の戦慄』は月面が舞台となり、『宇宙船救助命令』はその雛形になったエピソードと言えます。
両方のエピソードで探査車が登場し、宇宙服を着込んでの船外活動もあるので印象がよく似ています。
ただ、セブンの方はタンクと怪獣が戦うといったエンタメ要素は無いのですが。
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また、このエピソードではもう一つのウルトラセブンの雛形として、宇宙ステーションという要素が出てきます。
セブンの方では宇宙ステーションV3というものが登場していますが、このエピソードではV2という宇宙ステーションが出てくるのです。
ちなみにセブンの方でもV2というステーションは出てきますが、当然別物。
ウルトラマンで本格的に宇宙が舞台になるだけあって、『本格的な地球外探検』と『宇宙ステーション』はインパクトのあるものでした。
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最終話『さらばウルトラマン』
ウルトラマンの最終話と前話の演出を担当した人は、円谷一監督です。
円谷英二監督の長男である一監督はウルトラマンの第1話など、シリーズの節目を担当される方で、新機軸な演出を積極的に取り入れるのが特徴でした。
ウルトラセブンの第1話を担当したのも同じく円谷一監督で、同時に制作された第5話『消された時間』と共にウルトラホークと円盤の空中戦が繰り広げられます。
制作順ではそれぞれ5、6話になるのでセブンで初めて円盤との戦いが制作されたエピソードと言えます。
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ウルトラマンでは円盤群との交戦自体は31話の『来たのは誰だ』で行っていますが、ケロニアの円盤は無抵抗だったこともあってこのゼットン星人の円盤群との戦闘は、ウルトラシリーズで初めて本格的に作られた円盤群との交戦だったと言えます。
ウルトラマンに登場する宇宙人はバルタン星人、ザラブ星人、ダダ、メフィラス星人がいましたが、いずれもこそこそと暗躍するタイプでした。
しかし、最終話に登場するゼットン星人は今までの連中と違い、円盤群を率いて真正面から地球侵略を仕掛けてきます。
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ウルトラマンでは防衛隊が出撃して幾度となく怪獣や宇宙人に立ち向かっていましたが、この最終話にしてもはや防衛隊ではまともに太刀打ちできないほど侵略宇宙人も本気になった、という物語のスケール拡大に繋がっています。
敵がこれまで以上に本気になったことはウルトラセブンの世界観がシリアスなものになったことにも貢献しているのが分かります。
また、もう一つウルトラマン最終話には新たな要素として『宇宙人が手下の怪獣を連れて来る』というものがあります。
ウルトラQでもガラモンやボスタングなど、宇宙人の手下怪獣が存在しましたが、あくまで侵略の尖兵として送り込んできただけで、地球にやってきた宇宙人が用心棒のように手下の怪獣を従えているということはありませんでした。
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ゼットン星人が連れてきた最強の怪獣・ゼットンこそがまさにそれであり、ウルトラセブンでは制作第1話の『湖のひみつ』に登場するエレキングを始めとして、数多くの手下怪獣を引き連れてくるパターンが多くなりました。
以上のように、ウルトラマンの最終話前後はいずれも同作でも新機軸にして、次回作のウルトラセブンにも繋がる様々な要素が多数存在していたのがよく分かるものでした。
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