私はボクシングが好きだ!:日本人世界王者⑮(最終回)~ 山中慎介 ~

「私はボクシングが好きだ!:日本人世界王者」の連載も今回が最終回。15回にわたって日本人世界王者を、ウィキペディアの資料を参考に私の独断と偏見で紹介してきたが、実は紹介したい日本人王者がまだ何人もいた。
最終回は、元WBC世界バンタム級王者、山中慎介。
山中慎介は何と言っても、あの「神の左」である。私は、2度目の防衛戦でロハスに放った左ストレートが脳裏に焼き付いている。顔からマットに倒れていったロハスの姿に、恐怖さえ覚えた。もの凄い左パンチであった。
山中慎介は、辰吉丈一郎がシリモンコンをKOで下してWBC世界バンタム級王座を奪還した試合を見て辰吉に憧れ、ボクシングの道を歩み始める。
2006年1月7日、高橋仁戦でプロデビュー。デビュー戦は6回判定勝ち。
2010年6月20日、日本バンタム級王者の安田幹男と対戦し、7回50秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2011年3月5日、岩佐亮佑(現IBF世界スーパーバンタム級暫定王者)と対戦し、10回TKO勝ちを収め日本王座の初防衛に成功した。
2011年11月6日、17戦目で世界初挑戦。WBC世界バンタム級2位のクリスチャン・エスキベル(メキシコ)とWBC世界バンタム級王座決定戦を争う。中盤に両者ダウンを奪い合う一進一退の攻防から主導権を奪うと第11ラウンドに猛攻を仕掛け、1分28秒TKO勝ち。無敗のまま世界王座獲得に成功した。
2012年11月3日、元WBC世界スーパーフライ級王者でWBC世界バンタム級7位のトマス・ロハス(メキシコ)と対戦し、強烈な左ストレートが決まりロハスが頭から落ちるダウンを奪いロハスは失神。7回36秒KO勝ちを収め、2度目の防衛に成功した。
2015年9月22日、元WBA世界バンタム級スーパー王者でWBC世界バンタム級2位のアンセルモ・モレノ(パナマ)と対戦し判定勝ち、9度目の防衛に成功。2016年9月16日、モレノと11ヵ月ぶりに再戦し、7回1分9秒TKO勝ちを収め、11度目の防衛に成功した。
2017年8月15日、WBC世界バンタム級1位のルイス・ネリー(メキシコ)と対戦し、プロ初黒星となる4回2分29秒TKO負けを喫し、13度目の防衛に失敗、王座から陥落した。この試合でネリーのドーピング検査陽性が発覚、再戦指令が出る。
2018年3月1日、WBC世界バンタム級王者のルイス・ネリーと再戦し、王座への返り咲きを目指す予定だったが、前日計量でネリーがバンタム級の規定体重である118ポンドを3ポンド(1.36キロ)体重超過の121ポンドを計測し試合前に王座剥奪となった。そのため試合はネリーが勝つか引き分けで王座は空位となり山中が勝てば王座返り咲きとなる条件で行われ、山中が2回1分3秒TKO負けを喫したため王座は空位となった。
2018年3月26日、正式に引退を発表した。戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。
 山中は、その美しいサウスポースタイルから繰り出すワンツーが特徴的であった。「切れる左」を持ったボクサー山中は、12度(歴代2位)の防衛を果たした。
 今回紹介出来なかった日本人世界王者については、次の機会にゆずることとしたい。また、海外の世界王者についても、私の好きな選手をいつか紹介したいなと思っている。

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