私はボクシングが好きだ!:日本人世界王者⑬~ 内山高志 ~

元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者、内山高志。
内山高志は、そのパンチ力が何よりも魅力的なボクサーだ。左右の連打や右ストレートで相手をマットに沈めたシーンを、テレビでよく見てきた記憶がある。
拓殖大学ボクシング部の頃、補欠にも選ばれず同級生の荷物運びという厳しい扱いを受けることがあったが、この屈辱をばねにして努力を重ねた。
大学卒業後、高知県の建設会社に事務員として勤務しながら2002年のよさこい高知国体で優勝し、全日本選手権を連覇。同年に行われたタイ王国主催のキングスカップでは、優勝したアトランタオリンピック金メダリストのソムラック・カムシンに敗れ、銅メダルを獲得。同年度のアマチュア部門努力賞を受賞。
2005年7月16日、6回戦でプロデビュー。初回TKO勝ちを収める。
2007年9月8日、8戦目で空位のOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦でナデル・フセイン(オーストラリア)と対戦し、8回TKO勝ちで王座奪取に成功した。その後、2009年10月まで5度の防衛に成功し、同年12月に王座返上。
2010年1月11日、14戦目で世界初挑戦。WBA世界スーパーフェザー級王者フアン・カルロス・サルガド(メキシコ)に挑む。序盤から的確にパンチを集めて試合を優勢に進め、11回終了時点でポイントを大きくリード。最終12回も攻撃の手を緩めず、王者からダウンを奪った。立ち上がった王者を連打で追撃し、12回2分48秒レフェリーストップによるTKO勝ち。無敗で王座獲得に成功した。その後、2戦連続でKO勝利。世界王座獲得から3戦続けてのKO勝利は、日本人では初めて。
2011年1月31日、WBA世界スーパーフェザー級4位の三浦隆司(後のWBC世界スーパーフェザー級王者)と対戦。3回に偶然のバッティングで右目上をカットし、さらに挑戦者の左ストレートでダウンを奪われたものの、その後は左ジャブを的確に当て続け、挑戦者の右目を腫れ上がらせる。そして、8回終了後のインターバルで挑戦者側が右目の腫れを理由に棄権し、TKO勝ちで3度目の防衛成功。
2013年12月31日、元日本スーパーフェザー級王者でWBA世界スーパーフェザー級4位の金子大樹と対戦。10回にダウンを奪われるもその後見事なリカバリーを見せ、3-0の判定勝ちを収め8度目の防衛に成功した。その後、11回まで防衛。
2016年4月27日、WBA世界スーパーフェザー級暫定王者でWBA世界スーパーフェザー級1位のジェスレル・コラレスと対戦し、2回に3度ダウンを奪われて試合終了。2回2分59秒TKO負けを喫し、12度目の防衛に失敗し王座から陥落した。
2016年12月31日、WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者のジェスレル・コラレスと再戦、12回判定負けを喫し王座返り咲きに失敗した。
2017年7月29日、現役引退を表明した。戦績:27戦24勝(20KO )2敗1分。
現在はTBSを中心に各局の解説者を務めている。
2020年2月16日、出身地である埼玉県春日部市にジムを開設した。
 内山高志は「KOダイナマイト」の異名を取り、ハードパンチャーとして、多くのファン(私もその一人)に感動を与えた。内山の実力は、海外でも間違いなく通用しただろう。アメリカに渡って、多くの有名なボクサーと拳をまじえてもらいたかったと思うのは、私だけだろうか。

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