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いっぺんに埋めるのは大変だから

大きなダメージを受けた時、大きな変化に見舞われた時、一日も早く元に戻りたいと思うのは自然なことです。
ただ、元の状態に完全に戻れることは実際には難しく、経験を生かして、新しいものを目指していけるようにと考えられたらいいなと思うこんぷーでございます。

一体、何言ってんの。とお思いの方も多いかと思いますが、割と最近、事務バイト先の、直接児童に関わっているスタッフの方たちのぼやき状況を耳にしたもので。
・一生懸命対応しても、反応がない
・変化や改善が見られない
というのが大半だったのですが。。。児童に関わった期間を聞いたら「半年」と言われ、こんぷーはちょっとだけ苦笑してしまいました。
具体的な状況は敢えて書きませんが、児童がこの団体に関わるようになるまで、少なくとも4~10年、いや、それ以上の年月の子もいますが、大変な状況に置かれていたのです。
それを半年で急激に改善にもっていこうとするのは。。。どこか無理が生じるのではないでしょうか。

自ら大きく変わっていこうという気持ちになるのには、時間がかかると思います。人は、やはり変化を避けようとしがちなものです。
それを力づくで変えようとすることは、児童にとっては、今までと同じか、もっと悪い怖い力にしか思えないかもしれません。
受けた力が大きければ大きいほど、動くのは大変になります。
ゆっくり、ひとつずつ、が大事なのだと思います。

ボランティア先の若者たちも、なじんでいるようで実はまったく心を開いていないだろうという子がいます。
話しかけてくるくせに、相槌を返すだけで「そんなこと言ってねえよ。何度も言わせるなよ!」と、怒る子もいます(およよ。否定の言葉は使っていないのですが。)。

そんな中、ある日のこと。
玄関先に大量の寄付された食品段ボールが積まれていました(すぐに消費されてなくなります)。
前述の怒りんぼちっくな若者がそれを見て、「ここからぱくってもばれねえな」と言ったので、「ぱくんなくたって、スタッフさんに『ちょうだい』って言えば、もらえるじゃん。」とお返事したところ。
10秒くらいたってから「悪い言葉、つかっちまった。よくなかったな。」と、ぼそぼそと、でも、聞こえるように言ったのです。

その場では心の動揺は隠し(たつもり)、うちに帰ってから、こんぷー、泣きました。これはうれし泣きです(アラウンド還暦は涙腺もゆるゆるなのだ)。

接するようになって、1年ちょっと。
やっと、やっと、あんた成長してるじゃないか、えらいねえ!!!
そう思える、出来事でした。
この後、この若者がスーパーいい子になったかと言えば、そうではありません(まあ、そんなもんだ。)。
でも、少しずつ、少しずつ、何かが埋まって何か新しい方向に向かっていっています。

1つずつ、少しずつ、みんなで進んで行ければと思います。


1つずつ

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