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【詩】ふとんの王国のお姫さま

ふとんの王国は暖かくて 白くて
外は棘が大変多くございますので
毛玉のついた布を纏った私は、私自身も毛玉であるかのように振る舞い
たくさんの衛兵たちに守られながら引きこもりの姫になるのです
しかし眠れずの姫でもありますから、棘の個数を城から一つ一つ数えちゃったりなぞしまして
触りながら数えるものですから小指から深紅の涙がそれはもうぽろぽろととどめなく零れるのでございます
綿の詰まった衛兵よ 私の涙を受け止めて
棘を全て刈り取って
そうでもしないと私は外交などとてもできませぬ

@2024 金平糖みなみ

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