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【遭難寸前】秘境駅探検&ハイキング【西青山駅→青山高原→東青山駅】
世間への愚痴をはじめ毒にも薬にもならぬことを投稿している陰気な筆者ですが、意外とハイキングも趣味の一つなんです。先日、時間だけは十分にあるので気分転換に三重県の青山高原へ出かけました。待っていたのは絶景と絶望、そこからの生還を果たすまでをまとめてみました。
「秘境駅」西青山駅からスタート!
旅のスタートは近鉄大阪線の西青山駅。知る人ぞ知る「秘境駅」の一つで、2020年はコロナ禍も手伝って一日の平均乗降人員が12人だったそう。しかし、設備だけはかなり豪華なもので「要塞」といった雰囲気も醸し出しています。
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この西青山駅は1975年に今の場所へ移転、これをもって近鉄大阪線の複線化工事が完了したとのこと。何らかの需要を掘り起こすためにこのような設計がなされたものとは思いますが、Wikipediaなどで調べてみてもその理由はわからず。首を傾げながらハイキングを始めます。
さて、今回のコースですが、ここ西青山駅を出て隣の東青山駅まで徒歩で移動するという単純明快なもの。しかし、駅間の距離はなんと7.7km。しかも、線路沿いをただ歩くだけではなく、青山高原までの登山+下山もプラスされます。合計距離はおよそ14km、所要時間としてはどれだけ早くても4〜5時間はかかる計算になります。
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くねくねと蛇行しながら東青山駅を目指す
姿を表した別荘地
歩きはじめてから30分が経過、ここで進路を北に変えます。一軒の廃屋が見えてきました。
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ここから「三角点展望台」という場所を目指して本格的な登山が始まります。この廃屋の奥からは林道に入るのですが、高い木々で覆われています。
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道はぎりぎり舗装されている感じでした。勾配もそこまでキツいものではなく、前傾姿勢になりながら前へ前へと進みます。この道をしばらく進んでいくと、これまた古い建物が見えてきました。
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これも昔営業していた売店みたいなものでしょうか。なんとも不気味な雰囲気を醸し出しています。「夜に行ったら絶対お化け出るやつやん」と思いながらさらに進みますと…
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この付近には「青山高原サニーヴィラ」という別荘地があるそうで、見た感じは廃墟の集まりかと思ったのですが、どうやら現役バリバリの別荘地らしいです。検索してみるとホームページもあり、メンバーも募集しているとのこと。ここでグランピングとかできたら面白そうだなと感じました。
ここまでは思ったより快調なペースで進んでいるように感じます。しかし、ここから地獄が待ち受けているとは思いもしませんでした。
地獄のち絶景
この別荘地帯がしばらく続き、いよいよ山の厳しさを思い知ることになります。別荘地帯も終盤に差し掛かったところで長く続く階段が見えてきました。
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何の変哲もない階段ですね。これぐらいわけないのでは、と侮るなかれ。木の間を拡大してみますと思わず「ふざけんなよ…」と呟いてしまいました。
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おわかりいただけたでしょうか。木の間に目を凝らして見てみると、上の上まで階段が続いているではありませんか。しかもかなり急な階段です。寺社仏閣の石段がなんだか可愛く見えてくるレベルできつそうです。
やはりこの階段、想像以上にキツく段数も半端ではありません。一気に駆け上がってしまうと心臓と脚が冗談ではなく爆発しそうだったので、階段の途中で休みながら一つずつ上がっていきます。
この長ーい階段を上がることおよそ15分、青山高原の頂点に達したようです。眼下には街が見えるほか、北の方角には風車群も見えます。この景色をコンビニで買ったおにぎりを一個食べながら眺めると最高でした。
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なお、先ほど看板に出ていた「三角点展望台」はここから少し高台を上がったところにありました。そこからの方が風車群もよく見え、大変壮観な光景が広がっていました。
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周りには誰もおらず静かだったので、風車を回すモーターの音まで聞こえるくらいでした。最高に気持ちがよく、いつまでもここにいたいという気持ちはありつつも、下山に時間を要する可能性があったので30分足らずで立ち去ることにします。
遭難の危機!? 下山でヒヤヒヤ
下山を開始しましたが、しばらくは道も舗装されていて所々に案内の看板も立ててありました。「これは15時過ぎくらいに東青山駅に着くかもな〜」とこのときは楽観していました。
行きと違う点というと、登山道のそばに小川が流れていたことくらいでしょうか。前日に雨が降ったこともあり、足元はゆるくなっていたように感じました。ひたすらこんな道が続くのですが、しばらくすると滝が見えてきました。
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疲れを癒やす滝の音。こんな環境でのハイキングは最高だ。街の喧騒を見事にかき消してくれるじゃないか…
と考えながら歩を進めているうちに、キノコの形をした休憩所らしきものを見つけました。さらに、この傍らには廃線になったと思われるトンネルが東西各方向に2つあり、その中からは冷気が外に向かって流れてきていて自然のクーラー的な場所となっていました。
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休憩したのち、まもなくと思われるゴールに向けて再度歩みを進め、トンネル(2枚目の写真)に横付けされた階段を登ります。しばらくすると、木々が倒壊していたせいで道が塞がれていると思われる箇所に到達しました。しかし、先に進んでも道は見えず。
遭難を避けるべく先ほどのキノコの休憩所に戻って体勢を立て直し、再度挑戦しますがやはり道は見えてきません。「山で迷ったらとりあえず上に登れ」という教えがあったのでそれに従いましたが、方向感覚が分からなくなりキノコの休憩所へ戻ろうとするもかえって方角がわからなくなってしまいました。
時刻は15時を過ぎたところ。まだ時間に余裕はあるものの、夕暮れまでには必ず下山しないといけません。「これはヤバい、遭難したかも…」と混乱しつつもなんとかキノコの休憩所に戻ります。
「階段じゃなくて、トンネルをくぐらないといけないのか?」と恐る恐るトンネルを歩き始めますが「これで変なとこに出たら命が危ないな…」と引き返します。そもそも、トンネルの入り口に「入るな」の看板があったことに気が付きませんでした。
引き返したのち、ある考えが思いつきました。このハイキングのゴール地点が「東青山四季のさと」という施設なのですが、そこに電話すればなにか手がかりをつかめるのではないかと。しかし、当日は定休日で案の定電話に出んわの状態。ただ、出たら出たらで大変なご迷惑をお掛けしていたと思います。申し訳ございませんでした。
万策尽きた筆者でしたが、三度階段を登り道を塞がれた場所へ。そこであたりを見回してみると、右手の斜面の上に道らしきスペースがあることに気が付きました。そこに出て道を進むと…
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これです。私が探し求めていたものは。一回目の挑戦(キノコの休憩所)からはゆうに1時間が経っていました。そこから遭難寸前まで追い込まれながら、ルート復帰を果たしたのです。本当に涙が出そうでしたが、まだゴールではありません。
そして、20分ほど歩くとついに電車の音が聞こえてきました。音のする方をたどるように歩いてみると…
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芝生の広場が見えてきました。そう、ここがゴールの「東青山四季のさと」です。到着したのは16時を過ぎたところ。西青山駅を出発してから5時間半かけてようやくゴールにたどり着いたのです。
そして、そこから徒歩5分の東青山駅にも無事到着。波乱に富んだ青山高原へのハイキングがついに終わりを迎えました。
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この日は定休日
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まとめと反省
前々から一度青山高原に行ってみたかったので、念願が叶った形となりましたが、反省点の多いハイキングとなってしまいました。途中までは順調に進んでいましたが、やはり終盤で迷ってしまったことで1時間近く停滞してしまった形となりました。私が反省しているのは1時間も時間を食ってしまったことではなく、遭難寸前に追い込まれたことでいろんな方にご迷惑をかけてしまう可能性があったというところです。
結果的に救助を求める必要もなくなり無事に帰還できたのですが、仮に救助を求めてしまうと迷ってしまった私を捜索・救助する費用なんかも発生していたと思います。ただ、最終的に粘りながら自分でルートを見つけてそこから目的地に到達できたのは不幸中の幸いと言ってもいいかと思います。
今後、単独の登山やハイキングをするときは事前のルート確認はもちろんのこと、登山道の道しるべとなるマークなどを見落とさないように確認や安全対策などを怠らないよう努めていきます。
さて、西青山駅には初めて行きましたが、想像以上に「秘境駅」していましたね。イメージ上の「秘境駅」と言えば、周囲に何もないというのが特徴の一つとして挙げられますが、「無駄に豪華な設備」というのが意外でした。ありがちな秘境駅はホームのすぐそばに出入口があるイメージでしたが、高架上の駅ということもあり思いのほかがっちりとした印象を受けました。近くには旧線時代の西青山駅やトンネルの遺構もあるということで、いずれは行ってみたいと思うのですが今回のこともあったので当面は自重しておきます。
登山やハイキングは趣味仲間の方と一緒にすることがほとんどですが、一人でやると緊張感が違います。今後ももしかしたらハイキングや登山関係の記事を書くかもしれませんが、行動記録や生き方に関する記事に比べるとレアなものになるかと思います…
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