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私の6月
本当に怒涛の1ヶ月だった。
何度も針を刺されて血を抜かれて、入院して、退院して、沢山薬も飲んで、その代わり足に謎の痛みが発生して、大切な人と喧嘩して、歳をとった。
呆気なく恐れていた年齢になって、ぼーっとしてたら6月がそろそろ終わることに気づいた。
夏の香りがした。夏の香りは死の匂いだ。
命の匂いがする。だから夏に死にたい。
命を奪うような日差しも、輝く空も、空を蝕む入道雲も、短い命の虫たちも。全部命を削って生まれた色、音、匂いがする。たくさんの死と触れ合う。そして私の魂も削れていく。
私の命は薄汚くて夏の中は耐えられない。
家の中シャッターを締切ってドアに鍵をかけて。
夏が過ぎ去るのをじっと待つ。
もう待たなくていいように夏、死にたい。
死に包まれながら。
この世
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