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料理の楽しさ

「一緒に食べる人をさらに幸せにしてください」
シェフのコメントを読んで、料理の楽しさについて考えたので、そのことを書いてみる。

コロナ禍の自宅で見つけた楽しみは料理、という人は少なくないらしい。私もその一人で、松嶋啓介シェフが開設したyoutubeチャンネルを登録、料理教室にも参加した。

シェフの料理動画がアップされるのを追いかけるように、40品以上作ったと思う。動画は、軽快でリズムがあり、3分から7分の短い時間に、料理が完結する。そのハードルの低さと、塩なし料理の新しさ、作った料理の意外なおいしさ、味わい深さにすっかり魅せられてしまった。新しい料理を作ってみると言う行為そのものが、楽しくなった。

冒頭の言葉は、私がアップした料理の写真にシェフが書いてくれたコメントだった。それを読んで、はっとした。自分は40品余りを、自分のために作っていたことに気づいたからだ。品数じゃなくて、どれだけ人を幸せにしたかと考えると、誰も幸せにしてないじゃないか。

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確かに、一人暮らしになって、料理のモチベーションを失った理由は、一緒に食べる人がいなくなって、食べる楽しみがなくなったからだと思う。それが今、解決したわけではない。

じゃあ、何か?それは、純粋に作る楽しさだと思う。

素材を選んで、洗い、皮をむき、切る、炒める、煮る、混ぜる、一つ一つの過程を、その意味を考えながら、丁寧に追いかけていく。そうすると、確実に美味しくなる。料理をしているときは、そのことに没頭している、その楽しさ。自分の手で何かを作る、作る楽しさ。想像する楽しさ、創造する楽しさ。

誰も幸せにしていないと思ったが、料理は、確実に私のことを幸せにしてくれた。

自分を幸せにすること、そのことを軽んじていたかもしれないなと、そんなことも考えた。

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