子どもの頃の記憶ってありますか?

先日、さくらももこさんのエッセイ本『おんぶにだっこ』を読んだ。

めちゃくちゃ驚いた。
3歳とか、それくらいの頃の記憶を まるで物語のように綴ってある。
そもそも、3歳の頃の記憶なんてあるものなの?
断片的にあったとしても、こんなに感情や出来事を覚えているものなの?


「これは実話?作り話?」

読みながらだんだんわからなくなってきて
答えが欲しくてパラパラとあとがきをめくる。

どうやらさくらももこさんは幼少期の記憶があるらしい。

衝撃的だ
そんな人いるの?
10歳の長女でさえ、幼少期のことなんてほとんど覚えていないのに。
記憶って忘れていくのが当たり前なんだと思っていたけど、わたしの思う当たり前なんて、自分基準のなんの意味もないもんだな。

わたしの1番古い記憶ってなんだろうと考えてみる。


思い浮かんだのは
幼稚園の靴箱の前で

「はやくはしってふわってとんだら そらをとべるかも」

そう思ってふわふわジャンプしながら走っていたこと。


でもそれだけ。
そのシーンだけ。
前後のつながりもない。

さくらももこさんのエッセイには
一つの出来事に対して 過ごした数日、数年が綴られていたりする。


わたしなんて
数日前の出来事さえ
きれいさっぱり忘れていることもあるというのに。


本の中で、自分の【心の声】を初めて認識する話があるんだけど、これがまぁなんとも素敵。
そして子どもの頃はうまく言語化できなかった色んな感情を、大人になって語彙を知って表現できるということも素敵。



つられて思い出したのは
絵本を読んでいた時のこと。多分幼稚園の頃かな。

絵本に出てくる動物たちの後ろに


しーーーーん

という描写があって、
一瞬「なんだろう?」って思ったんだけどすぐに、

誰も喋っていなくて、何の音も聞こえない時
は『しーん』って言うんだ

ということがわかった。

その後『しーん』の音を探していた。

静かな時は『しーん』という音がきこえてくるもんなんだと思っていた。
全く何の音も聞こえないなんてことはなかなかなくて、かすかに聞こえる何かの機械音なんかを無理矢理『しーん』の音だ!と思い込んだりしていた。『しーん』の音を聞いてみたかったのだ。


そんなことを思い出した。
わたしにも、ちゃんと幼少期があったんだなぁ。
当たり前だけど
何もかもに【初めて】があったし
ちゃんと、3歳なら3歳の、その日常を過ごしていたんだと思うとなんだか感慨深い。

幼少期の頃のことを覚えていたい、なんていうのはもう今更なので
とりあえず、直近1年分くらいの記憶は保てるようになりたいよね。

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