夢みたものはひとつの幸福

夢みたものはひとつの幸福

日曜の昼下り

見つめ合うふたりは

淹れたての珈琲の

ふくよかな香りを

味わう

相手の瞳の中に

自分がいる、のを見つける

カレが窓辺で奏でる

ヴァイオリンの音色は

光の波動となって

わたしをつつむ

その波動はわたしを

響かせ

愛の波動になって

カレの指先に帰っていく

永遠の輪舞……

時間がとまる

どちらからともなく

散策へいざなう

緑したたる道を

降り注ぐ

光の中を

風とともに

ゆっくり歩む

わたしはときどきカレを見上げる

カレはわたしの瞳を

のぞき

わたしたちは愛の音となって

自然に溶け込んでいく……

夢みたものはひとつの幸福

それらは

すべて

ここにあると

立原道造さん風に……

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