2017.11.16


脳みそがいっぱい働いている。いっぱい働いていて眠れない夜がある。電気を消してみる。真っ暗な世界に数字や未来の理想が駆け巡ってくる。やっぱり脳みそがフルスロットルで働いている。身体があつい。足先はこんなに冷たいのに。

わたしは一旦眠ることを諦めた。夜はすっかり冷えるようになってしまったからガウンを羽織る。お気に入りのキャンドルを灯す。優しいムスクの香りが漂う。窓ガラスの水滴と明かりが照らしあう。今夜は細い月が出ている。冷蔵庫からレーズンバターとチーズ、ブラックペッパーが入ったチョコレイトを出す。ふた切れずつ皿に並べる。グラスに1センチだけカルヴァドスを注ぐ。お下がりのレコードプレーヤー。そっと針を落とす。

香りも音も味も。全てがそれぞれ同時に話しかけてくる。わたしはひとつも取りこぼさないように注意しながら、ひとつずつきいてみる。



気づけば朝になっていた。わたしは一人がけのソファを窓に向けたまま。座ったまま眠ったわりには身体の調子がいい。


ブランケット、そっとかけてくれてありがとう。

キャンドルも丁度良いところで消してくれたのね。

今日の朝ごはんは貴方が好きなフレンチトーストにするね。

今日は好きなだけシロップをかけてもいいわ。

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