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クリスマスに海外で食べられているお菓子3選【オーストラリア編】

12月に入ると、クリスマスツリーやイルミネーションが輝きだす街中。クリスマスソングも流れ、心躍る気分に。12月25日のクリスマスはキリスト教の生誕をお祝いする日とされていますが、日本では恋人といつもよりお洒落して、楽しむイベントとして捉えられています。

海外では、一年の一大イベントで、家族が揃ってお祝いします。日本のお正月のようですよね。逆に海外ではお正月は友達や恋人とお祝い、日本と海外では、ちょうどクリスマスとお正月の位置付けが反対になっています。

さて、クリスマスのお菓子といえば、どんなお菓子を思い浮かべますか?
日本では、誰しもが好きな国民的ケーキのショートケーキやフランス生まれの切り株をイメージして作られたビュッシュ・ド・ノエルを想像する方も多いはず。

しかし、海外の各国では様々なお菓子が、クリスマスに食べ親しまれています。
南半球に位置し、日本と季節が真逆、真夏のクリスマスでも有名な国といえばオーストラリアですね。

今回は、オーストラリア・メルボルン在住、現地でパティシエとしても働く私が、クリスマスに食べられているお菓子を3つご紹介します。

Pavlova (パブロバ)


オーストラリア定番のお菓子といえばこれ!というほど、多くの人から愛されている国民的お菓子。クリスマスケーキとして食べられることも多いです。

パブロバは、メレンゲを土台に、ホイップクリームやフルーツをトッピングして作られるお菓子で、ここオーストラリアやニュージーランド発祥のお菓子。
もう少し具体的に書くと、卵白にグラニュー糖、塩、コンスターチ、バニラエッセンス、酢などを入れて、しっかりと角が立つまで泡立て、オーブンで焼いたものを土台にしています。中には火が通っておらず、中はふあふあ、外はサックッとしているのが最大の特徴。

家庭でも手軽に作りやすいように、スーパーにはメレンゲの土台が売られていていたり、手作り用キットがあったりするほど、オーストラリアでは馴染みのあるお菓子です。

名前の由来は、世界で初めて世界公演ツアーをしたロシアのバレエダンサー、Anna Pavlova(アンナ・パヴロワ)の名前から来ているそう。彼女がツアー中立ち寄った国、オーストラリア、おとなりの国ニュージーランド、どちらの国でこのお菓子を食したかで意見が分かれており、発祥地については長年に渡って議論されています。ニュージーランド人は「ニュージーランドが発祥だ」といい、オーストラリア人は「オーストラリアが発祥だ」と主張。


Christmas Pudding (クリスマスプティング)


オーストラリアで最もポピュラーなクリスマスのお菓子、クリスマスプディング。イギリス発祥の伝統菓子で、その歴史は15世紀までさかのぼり、イギリスからの移民が多いオーストラリアでも一般化しました。現地ではクリスマス時期になるとお菓子屋さんをはじめ、スーパーでもズラリと陳列されます。

クリスマスプディングは、ラム酒やブランデーなどの洋酒漬けのドライフルーツがぎっしりと詰まった重厚感のあるケーキ。プティングという名前がついていますが、日本の一般的なプリンとは全く違うものです。その由来は、製作工程で焼くのではなく、蒸して作ることからきています。

本格的に作るとなると、クリスマスの数ヶ月前から準備が必要。それもそのはず、細かく刻んだレーズン、プラム、サルタナやナッツなどをプランデーやラム酒に漬け込んで、充分寝かせてからクリスマスプディングを作っていくから。日持ちは1〜2ヶ月ほどするお菓子です。


Mince Pie (ミンスパイ)


クリスマスプディングに並び、クリスマスの定番お菓子として親しまれるミンスパイ。パイではなく、タルトと呼ばれることもありますが、基本的に同じもの。こちらもイギリスの伝統菓子のひとつです。

ミンスパイは、タルト生地に、ドライフルーツ、ナッツ、スパイスをがたっぷりと詰まったお菓子。直径5〜6cmの小ぶりなお菓子で、一人一個づつ食べます。そのため、お店ではバラ売りもされていますが、基本的には6個〜8個入りの箱売りが一般的です。

かつてはその名の通り、お肉を使用して作られていましたが、時代と共に、現在の甘いパイに変化しました。

ミンスパイもクリスマスプディング同様に日持ちが良いお菓子なので、クリスマス当日だけでなく、クリスマス前後クリスマスホリデー中に何度も食べます。


まとめ

この記事では、オーストラリアでクリスマスに食べられるお菓子を3つご紹介しました。

日本では聞いたことがなく、馴染みのないお菓子ばかりだったのではないでしょうか。クリスマスのお菓子は歴史深く、伝統的に長く国民に愛され続けているものが多く存在します。お菓子を通して、そんな背景を知れるいいきっかけにもなりますね。

日本で手に入りやすい材料で作れるものや、近年では輸入食品店で購入できるものもあります。気になったものがあれば、今度のクリスマスに取り入れてみてはいかがでしょうか。

もしクリスマス時期にオーストラリアを訪れる際は、クリスマス当日はお菓子屋さんやスーパーを含めて全てのお店がお休みになるので、ご注意くださいね。クリスマスイブまでに買い物や準備を済ませ、ゆったり過ごしながらお祝いしましょう。


では、次回はフランス・アルザス地方版をお届けするので、楽しみにお待ちくださいね。 

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