「おはようございます。」が返ってこない職員室


着任2日目。
7:30「おはようございます。」と挨拶しながら職員室の扉を開ける。

声が届く範囲にいる教員は5人。
全員パソコンに向かっている。
私の挨拶に対して口を開く人間はいない。

良くも悪くも私の席は、一番奥。
自分の席まで、学年主任と学部主任の後ろを通る。
後ろを通る時も「おはようございます。」と挨拶しながら歩く。
挨拶が返ってくることはなかった。

着任3日目。
7:30「おはようございます。」と挨拶しながら職員室の扉を開ける。

声が届く範囲にいる教員は4人。
全員パソコンに向かっている。
私の挨拶に対して口を開く人間はいない。

今日は学年主任と学部主任それぞれの背中に向かって「おはようございます。」と挨拶をする。

授業中はあんなに大きな声が出せる学年主任が、とってもとってもとっても小さな声でパソコンを見ながら挨拶を返してくれる。

学部主任は、反応なし。

数週間後、主幹教諭4人いるうちの1人、A先生に素朴な疑問として聞いてみた。

「この学校はなぜ、職員室で挨拶が返ってこないんですかね?」

「忙しいんだから返ってこないでしょ。」


挨拶の大切さを教える教員からのこの返答に衝撃を受けた。

前職の上司は、どんなに忙しい時でもキーボードを打つ手を止めて、相手の顔を見て挨拶を返す人だった。

前任校でも、挨拶しながら職員室に入れば、一番奥にいる副校長からも挨拶が返ってきた。

それが普通だと思っていた私には、大変衝撃的な返答であった。

翌日から7:30出勤はやめた。

ちなみに、学部主任の無反応は、私への嫌がらせだということが後々分かる。

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