「原付に乗った王子様 3」

寂しいとは言いつつも、友達がいなかった訳ではない。サークルの友達と三人で集まって宅飲みをしていた。その二人にはセフレのことを話していた。
三人で飲んでいたある日、一人がトイレに行くと席を立った後、彼がかしこまった様子で話しかけてきた。ちょうど、セフレからの連絡が来て、行こうかどうか迷っているところだった。
「ちょっと話がある。」
「どうしましたか」
尋常ではない空気を感じた。どこか緊張しているようだった。
「あのさ、行かないでほしいんだよね」
「どういうこと?」
「その、俺、好きなんだよ。お前のこと。」

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