居心地というもの
イタリアン
昨年の夏、近所に新しいイタリアンの店がオープンした。
さほど広くはないフロアに、ふたりがけのテーブルが7、8席。
小さなカウンター席もある。
チェーン店ばかりが増えていくなかで、
こういうお店はなかなか貴重。
入口付近はガラス張りで、店内の様子がよくわかる。
いつ通りかかっても、いつも混んでいるから、
もう少し落ち着いたら行ってみよう、
と思っていたらすっかり冬になってしまった。
そろそろ行ってみようか。
金曜日だし混んでいるかもしれないから、
念のため、予約の電話を入れておく。
7時ちょうどに着いてみると、店内にはお客さんがひとりだけ。
常連さんなのか、カウンター席に座りシェフと談笑している。
出迎えてくれたスタッフに、電話で予約した旨を伝えると、
あーはいはい、と承知したよう。
だけど、席は用意されていない。
どこでも好きなところにどうぞ、とのこと。
ん?
テーブル席にはひとりもお客さんがいないから
たしかに席は選び放題だけれど。
注文した料理はどれも美味しかった。
ビールを飲んだ後、白ワインをボトルで頼んだら
水と氷をたっぷり入れたワインクーラーを持ってきてくれた。
ここに置いておきますね。
隣のテーブルに置かれたそれは、手が届かないほど遠い。
サーブしてくれるはずもなく、
席を立ちあがり隣のテーブルからワインを持ってこなくてはならない。
2、3度繰り返していたら、
ようやく隣のテーブルを寄せてくれた。
2時間弱の間、新たに来たお客さんは1人。
カウンターの常連さんは、まだ居続けるようだった。
パン屋さん
素材にこだわった美味しそうなパン屋さん。
小麦粉の産地や、使っているフルーツ、野菜などのこだわりが
店頭の看板に書いてある。
なんだか美味しそう。
看板のとなりに手書きの張り紙が。
店内に入るのは3人まで
小さなお店だし、感染症を気にしてのことだろう。
カウンターにはきれいなパンがずらりと並べてあり、
それぞれに商品名と値段が書かれたタグが付いている。
その手前に手書きの張り紙が。
見本です。さわらないでください
カウンターの中にいるスタッフにオーダーするスタイルらしい。
家の近所にも同じスタイルのお店がある。
そこには張り紙などないけれど
さわっている人を見かけたことは一度もない。
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