闇はダメですか?
誰でも数十年生きるうちには、心に闇を抱えるものだと思う。
数十年とはいわない、十数年だってそうなるだろう。
だけど子どもが純真無垢な光だけだなんて
いったい誰が決めたのだろう。
そう、きっと、それは、自分の子どもの頃を
忘れた大人が言い出したことにちがいない。
子どもは子どもなりに闇を抱えているものだ。
それを闇とは認識していないかもしれないけれど。
そうやって考えていけば、だんだんと
最初から光と闇を抱えて生まれてきたことがわかってくる。
それはたぶん、当たり前の、ごく自然なことなんだ。
なのにいつからか自分が抱える心の闇を恥じるようになって
まるで闇なんて存在しないかのように振る舞うようになったのは
闇をダメだと定義したからなんだろう。
だけど闇がなければ光は光たり得ない。
もしもあなたの心の闇が、悲しみのうちに
蓄えられたものであるならば
あなたはそれを反転させてみてほしい。
反転させることさえできれば闇があるからこそ
光はいっそう明るく透明になることがわかるから。
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